鈴木直道支持率下落も、たびたびメディアに登場する〝食べる知事〟をプレイバック(無料公開)
2024年12月号掲載。ホクレンの北海道米イベントに出席。新米ご飯の食べ比べに挑戦した(札幌文化劇場)
「やっぱり、鈴木直道知事は気にしているらしい」
あるマスコミ関係者はそう口にする。
その内容というのが、北海道新聞社が4月に実施した世論調査の結果だ。依然として高い数字ではあるものの、鈴木道政への支持率は57%。昨年4月の前回調査から5ポイント下がり、50%台となったのは19年10月の調査以来だ。
「支持率88%の男」。新型コロナウイルス禍で独自の緊急事態宣言を発出し、20年4月の調査では驚くべき数字を記録。以降、高い支持率を誇ってきた。当然、道民からの人気も絶大だ。
イベント会場などに登場すると、まるで芸能人を見つけたファンのように老若男女から〝黄色い〟声援〟が飛ぶ。また、その光景は前任者・高橋はるみ氏への〝はるみちゃん〟コールに通ずるものがある。
爽やかなルックスと人気の高さを知事本人も自覚しているようで、北海道のトップセールスマンとして、SNSを積極的に活用し、情報発信。度々登場する自撮りに対して、対峙する場面がある道議会からは、ひがみ、やっかみもあるが、「アイドル気取りか」(ある道議)との皮肉が常に聞かれる。
支持率でいうと、4期16年の高橋道政も高い水準だった。道政史上初の女性知事の期待は高く、就任直後は70%超を記録。以降、おおむね60%台をキープ。50%台が目立つようになったのは4期目の任期を折り返してからで多選批判などから勇退論、参院選転身説がささやかれるようになった18年4月の調査では55%、18年10月は56%だった。
「こうした数字は、まわりにどう見られているかを必要以上に意識する鈴木知事の耳にも入っているのではないか」(前出マスコミ関係者)
次期知事選まで1年を切った。道内政財界の関係者の多くは鈴木知事の3選出馬は確定的とみる。
知事に対しては度々、国政転出論がささやかれていたが、今年2月の衆院選で自民党は高市旋風に乗り、これまでにないほど圧勝。北海道も比例名簿掲載者を含む全15人が当選した。これにより、しばらく衆院選のイスが空かなくなったことも、3選出馬を〝後押し〟した。
「将来的な衆院選のくら替えが消えたわけではない。北海道だけではなく、埼玉県出身であることや、政界を引退した菅義偉元首相(衆院・神奈川県2区)が後ろ盾だったことなどから、関東圏の選挙区からの出馬もあり得ないわけではない。高橋氏と同じように知事から参院選に転出する可能性だってある。知事本人は選択肢の1つとして、夕張市長に転じる前、東京都職員だった経験から都知事選に打って出る将来像も考えている」(鈴木知事に近しい自民関係者)
国政とのパイプであった菅氏を失った鈴木知事は、先の衆院選でほぼ全区に入り自民候補を応援した。「いつも以上に力が入っていた」(メディア関係者)という。
知事選に向けてはリベラル勢力が独自候補擁立を目指しているが、鈴木人気に〝尻込み〟し、動きは鈍い。高橋道政時代から、もはや〝風物詩〟化している。
一方、国政に目を向けると、公明党が連立を離脱し、衆議院で立憲民主党とともに中道改革連合を結党。北海道では公明は鈴木知事の一番の応援団だった。この永田町の政界再編により、鈴木知事と公明の関係に距離が生まれた。
リベラル勢力は、立憲道連、国民民主党道連、連合北海道、北海道農民政治力会議が民主連絡調整会議(4者会議)を組織し、擁立作業を進めている。中道結党を受け、公明側はこの4者会議に参加するとしているものの、一部に慎重論もあり、保留状態になっている。
現時点で野党関係者からは中道落選者、アナウンサー、道庁OBらの名前が聞こえてくるが、現職を脅かす存在になれるかと言ったら、その線は薄い。
公明との関係は気になるものの、頼るべき国会議員も増え、現状、鈴木知事の3選は盤石だが、政界、メディア関係者からは「知事本人はこれまでにないほど焦っている」との声が高まっている。
「焦りからなのか、道庁職員をはじめ部下を叱責する場面が増えている。再選後、道政案件における庁内レクに多く時間を費やすなど部下にかける負荷が強まっていると言われてはいたが。庁内で『早く国政に転じてくれ……』との声が広がっている」(メディア関係者)という。
道庁周辺では鈴木知事に対する抗議デモも拡大している。デモは昨年9月に始まり、高い人気を誇ってきた鈴木知事にとって、こうしたアンチの動きが珍しいと言える。デモ拡大とともに、インターネット上には本人へのいわれのないデマも目立つ。一時、SNSでの投稿の休止を余儀なくされたこともあった。
さらにデモは過激化している。鈴木知事は現在、知事公邸を廃止し、マンションに暮らしているが、そのマンションにまでデモ隊が大挙して押し寄せている。今年2月にはデモ隊が道議会の本会議を傍聴し、道庁、道議会関係者をピリつかせた。鈴木知事側もナーバスになっているとされる。
直近では、知事リコールを求めるデモが4月19日に行われた。前日の18日には、鈴木知事が散髪したことを伝えるメッセージとともに自撮りのアップ写真を自身のインスタグラムに投稿し、デモ参加者の怒りを買った。
鈴木知事は「今、2期目の成果を探している」といわれている。目立つ成果がないのが実情だ。本人が強調するラピダス誘致は「鈴木知事に花を持たせた形だが、実際は立地に成功した千歳市の功績のほうが大きい」(マスコミ関係者)との見方は多い。
鈴木知事は自身の人気が下がることを嫌い、賛否ある道政課題に決断を下すことを極端に避けてきた。その一方で、昨年12月に表明した北海道電力泊原発3号機の再稼働同意については、決断自体には一定の評価があるものの、「電気代が高騰する中で当然のこと」「判断をギリギリまで先送りしたこと」(道議会関係者)などから、実績としてはかすむ。
こうした中、今、鈴木知事が強い関心を示しているというのが「北海道五輪」招致だという。その詳細については5月15日発売の本誌6月号で掲載している。
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話題を鈴木知事の人気に戻すが、度々、メディアや自身のSNSに登場するシーンがある。それが食べる姿だ。人気者の鈴木知事が「食した」となれば、その食べ物のPRとしては絶大だ。本誌もその様子を収めてきた。本ページでは過去に掲載した「食べる鈴木直道」を写真で振り返る。


