【無料公開・13年3月号掲載】過去本誌が報じた道内上陸説③ 家具世界大手が虎視眈々、「イケア」が新さっぽろをターゲット!?

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イケアのホームページ

 家具販売の世界的なチェーン・イケアが、いつ道内に上陸してくるのか――。ここ数年、札幌圏で出店用地を物色する動きが噂され、イケアは流通関係者の間では注目の存在。数カ月前、新さっぽろ地区のある企業にも接触したという。(施設の名称などは掲載時のまま)

グループ売上高は3兆4500億円

「イケア側が昨年11月末か12月初旬、札幌副都心開発公社に新さっぽろ地区で用地があるか、問い合わせたそうです。公社の関係者は色めき立ったと聞いています」(札幌市役所の関係者)

 公社側が興奮したのも当然のこと。イケアは低価格を武器に26カ国で約300店を展開するグローバル企業。2012年8月期のグループ売上高は276億ユーロ(1ユーロ=125円換算で3兆4500億円)で、家具・インテリア販売の世界トップである。

 しかも北海道はまだ未出店地域なので、道内1号店が新さっぽろにできれば、かなり大きな話題となるのは確実だ。

 イケアの日本への本格進出は02年7月。「イケア・ジャパン」(本社・千葉県船橋市)を設立し、06年4月には1号店を船橋市にオープンした。現在は神奈川、埼玉、大阪、兵庫、福岡の各府県に計6店舗を構える(宮城県仙台市にはミニショップもある)。

 日本法人も順調に利益を伸ばしているという。イケア本体の元CEO・アンダッシュ・ダルヴィッグ氏は著書「IKEAモデル」の中で、こう述べている。

「イケアの商品レンジ、店舗のコンセプト、価格設定は日本でも奏功している。(中略)09年までに、売上は5億60万㌦に迫り、イケアは健全な利益を生んでいる」

 メディアの扱いを見ても、好調ぶりは推察できる。出版社は相次いでイケアを取り上げ、同じく家具・インテリアを販売するニトリ、無印良品と比較した〝ガイドブック〟が何冊も書店に並ぶ。勢いに乗るイケア今後も各地に出店する予定で、すでに東京都立川市と仙台市に店舗用地を確保済みだ。日本法人のミカエル・パルムクイスト社長は北海道新聞の取材に対し、20年までに10店舗体制を目指す意向を明らかにしている(11年7月30日付朝刊)。

 イケアの店舗は、売り場面積が平均で3万5000平方㍍の大型店が基本。そのため、一定規模以上の人口集積があるエリアが出店候補地となる。となると、札幌圏も新規出店の候補になっていると考えるのは、ごく自然な考えだ。

「首都圏から始まり、イケアは関西、九州、東北に店を出した。展開からいっても、今度は北海道、札幌だろう」(不動産会社幹部)

 イケア・ジャパンの広報担当者は「北海道への出店は検討していない」と否定するが、札幌も含む全国各地で市場の調査をしていることに関しては示唆した。実際、北広島市大曲地区で用地を探していたことは流通関係者の間では知られている。「三井アウトレットパーク札幌北広島」がある場所がそれだ。三井不動産との争奪戦に敗れたと言われている。

 ほかにも、札幌市豊平区の「月寒グリーンドーム」周辺や、かつて家電量販店があった手稲区の土地にもイケアが興味を示したと言われている。今回、イケア側が新さっぽろ地区で用途を探したのも、そうした流れの中の動きだろう。

3万平方㍍級の余剰地が発生する

 新さっぽろ地区は、厚別区の中心地エリアで、交通の結節点でもある。国道12号などの幹線道路が通じ、JRと地下鉄の駅、バスターミナルもある。都心部も10㌔圏内に入る。サンピアザやダイエー(現在はイオン新さっぽろ店が入居)といった商業施設や文化施設もあり、にぎわいがある。

 ただ、大規模店が新規参入できる土地は、今はない。イケア側が接触した札幌副都心開発公社は3カ所の駐車場を所有しているものの、最も広い区画でも1万平方㍍暮らす。これでは、通常のイケアの店舗では足りない。

 別の課題もある。駐車場は暫定利用という位置づけで、将来的な開発も視野に入っているが、現実としては周辺商業施設にとって欠かせない機能を果たしている。取り壊すことには、公社所有施設に入居するテナント各社から、猛反発が予想されるのだ。

 ところで、新さっぽろ地区には数年後、大きな更地が生まれる。札幌市は同地区周辺の市営住宅の再編を進めており、それによって2区画、余剰地が発生するのだ。その内〈I団地〉とされる区画は、広さが3万2000平方㍍もある。しないの商業ゾーンで、これだけ大きな土地が空くのはまれだ。早くもデベロッパー各社が関心を寄せている。

 イケアの店舗も立地可能な広さだが、時間軸が合わないようだ。市は新年度から2カ年かけ、この余剰地の活用方針をまとめる計画。その後、公募などによって売却するのだろうが、イケアの考えている出店スケジュールには間に合わないというのだ。そもそも余剰地の活用方針が、商業利用になるかどうかも不明である。

 こうしたことから、イケアの新さっぽろ出店は「現実的は難しいだろう。やはり北広島など、郊外のほうが有力ではないか」(不動産関係者)という見方も出ている。

※月寒グリーンドーム跡地の一部土地は大和リースが商業施設「ブランチ札幌月寒」に整備。新さっぽろ地区の市営住宅跡地などは、大和ハウス工業を代表とする共同事業体が再開発に乗り出し、商業施設「BiVi新さっぽろ」のほか、新さっぽろ脳神経外科病院やマンション、ホテルなどが建設された。

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