【独自・無料公開】政治資金収支報告書で露わに…「やりすぎ」長谷川岳が建設業者から2000万円“荒稼ぎ”大成功【長谷川氏のコメントを追記】
11月29日、北海道選挙管理委員会は2023年度分の政治資金収支報告書を公表した。政党支部など388団体、その他の政治団体が2710団体、合わせて3098団体が提出。昨年は統一地方選挙があったため、収入では寄付金や政治資金パーティー収入が増加し、支出では選挙関係費や宣伝事業費が増えた。収入総額は前年比5.4%増の64億3327万円、支出総額は10.7%増の65億7177万円となった。
一方で国政選挙がなかったことから、政党の道本部・支部については収入、支出ともに減少。国会議員関係政治団体も“平時”のため同様だったが、その中で収入を大きく増やしたのが、北海道選挙区選出自民党参院議員・長谷川岳氏だ。今春、航空機内での横柄な振る舞いを目撃されたと暴露されて以降、数々の問題が浮上して大炎上したことはまだ記憶に新しい。
本誌月刊財界さっぽろと当サイトでは、長谷川氏による自治体職員への行きすぎた指示、出張強要を始めとする「やりすぎ事案」について子細に報じてきた(2024年5月「炎上!長谷川岳研究」/過去記事をまとめた「長谷川岳〝やりすぎ事案〟ヒストリー」)。
そのうちの1つに「道建協は200口が“ノルマ”、長谷川岳(参院国交委員会筆頭理事)が建設業者から“荒稼ぎ”」という記事がある。
くわしくは記事をご覧いただきたいが、北海道建設業協会の役員が大号令をかけ、長谷川氏が代表を務める「自由民主党北海道参議院選挙区第三支部」の賛助組織「岳政会」の会員を集めた、というもの。
この役員は道建協副会長の栗田悟氏。国交省OBで長年、道建協と長谷川氏との窓口を務め、長谷川氏の建設業界後援会会長も務めている。その栗田氏が、自身の肩書きで岳政会入会の案内を出した上で、傘下の各地区建協ごとに“ノルマ”を割り振り、1社最低2口、1口6万円なので12万円。これに加入するよう勧めていた。
道建協全体でのノルマは200口とされ、このほかに少なくとも道舗装事業協会、道測量設計業協会にも案内が届いており、それぞれノルマがあったとされる。各地区建協やそのほかの団体に案内があったのは昨年春ごろのこと。23年分の政治資金資金収支報告書にはその“結果”が明示されるとあって、密かに注目していたのだ。
結果は上記の表の通りで「法人その他の団体からの寄付」について、寄付金額は前年比3.7倍の2248万5000円。なお本誌が内訳から建設関連業者を抽出すると、1口だけの業者も含めざっくり170社で1800万円強。個人献金にも建設業者が並んでおり、それも含めれば300口以上は集まったことになる。
「長谷川さん側は年間2000万円を目標にしていたと聞いているので、大成功だったのは間違いない」(建設業界関係者)
一方、長谷川氏と同じ道内選出の参院議員が代表を務める政党支部の「法人その他団体からの寄付」を見ると、23年分では元知事の高橋はるみ氏が149万円、岩本剛人氏は1218万9780円。22年に衆院からくら替えし、長谷川氏と激しいつばぜり合いをした船橋利実氏は2380万円と、長谷川氏を若干上回る献金を集めた。
同じく衆院議員では、道央圏だと道3区の高木宏壽氏が1521万2400円、自民道連会長で4区の中村裕之氏が3299万4000円、裏金問題が直撃した5区の和田義明氏は3045万円。
地方では道6区の1年生議員・東国幹氏が1736万6970円、7区の鈴木貴子氏は117万円だが、この年に伊東良孝氏から選挙区を譲られたばかりなので参考扱い。比例単独で支部を立てた伊東氏は2682万8000円、11区の中川郁子氏が762万6000円、12区の武部新氏が2671万5230円だった。
前出の通り、財界さっぽろ2024年5月号では「炎上!長谷川岳研究」と題した長谷川氏の特集を掲載。本人を直撃するインタビューも収録した。
この際、岳政会について長谷川氏に直接聞いたところ「(岳政会は)私が参院議員に初当選して以来ずっと続いています。おかげさまで一切の個別の要望は受けない前提をご理解いただき、200社ほどが会員となっていただいています」と説明していた。
ちなみに、現在まさに国会で議論されているのが、この「法人その他の団体からの寄付」つまり企業・団体献金の廃止論議。野党は廃止すべきとしており、衆院で少数与党に転落した自民党は何とか献金の継続をと苦心している。年内をメドに政治資金規正法の再改正を目指し、協議のまっただ中だ。
※2024/12/6 11:45 追記
長谷川氏本人から以下、コメントが届いたので追記する。
「荒稼ぎしているという表現だと大きな利益を得ているという意味合いなのでこれは異なります。政策の実現に向けて支援をしてくださっている方々のご厚意を受けながら、今後も北海道の課題、地域の課題解決に向け、しっかりと活動を重ねて参ります」