『二人キリ』『恐怖の正体』

 脳の記憶容量には限りがあるに違いない。おかげで読めない文字やわからない言葉が多すぎて蹴躓き、腹立たしいやら恥ずかしいやらで日常的に悲傷しんでいる。 世の中にはカメラやコピー機のように知識を記憶していく人がいる。だが、このぼくときたら「鳥頭」とか「笊頭」の類いで、知ったそばから忘れる、あるいは最初から記憶さえしていない。 とはいえ、若いころは〝記憶のだだ漏れ...

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