【無料公開】「態度が横柄」と吉幾三が暴露 財界さっぽろが報じてきた長谷川岳参院議員「やりすぎ」事案

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長谷川岳氏

 北海道選挙区選出参院議員・長谷川岳氏が演歌歌手・吉幾三氏のYouTube動画で、航空機搭乗中の態度が悪かった、と暴露され、炎上状態となっている。長谷川氏もブログでコメントを発表したものの、自身の態度についての直接の言及は現在のところされていない。本誌財界さっぽろでは、長谷川氏の素顔とこれまでにも度々あった長谷川氏の「やりすぎ」事案を報じている。

客室乗務員が実名で“横柄な態度”を暴露

「きょう、申し訳ございませんが、お名前だけ言わせていただきます」

 3月19日、演歌歌手・吉幾三氏が自身のYouTube「吉幾三チャンネル【公式】」を更新。「事実なので公表します」と題した動画が一夜明けて政財界に波紋を広げている。

 吉氏は昨年5月、航空機に搭乗した際、同じファーストクラスに乗り合わせた客が客室乗務員に横柄な態度を取っており、その人物が誰かを調べたところ北海道選出の国会議員だった、という動画を公開。この動画は再生回数約190万回(3月21日現在)と大きく伸びていた。

 その後、週刊誌のインタビューに応じた吉氏は国会議員のイニシャルを「H」と明かしていた。さらに今回更新した動画では、国会議員が北海道選挙区選出の参院議員・長谷川岳氏であることを公開したもの。

 動画では吉氏自身が長谷川氏の名前を口にしたわけではなく、吉氏のもとに届いた匿名の航空会社客室乗務員からの「手紙」を公開した。そこには長谷川氏が搭乗する際、事前に「注意点」がいくつも案内され、対応を誤った場合に「鬼の首を取ったような言い方」でクレームを入れる、などの実態が詳述。その上で「態度を改めてもらうきっかけになってほしい」としたためられていた。

 吉氏も「(長谷川氏を)知っている人がいたら注意してあげたほうがいい」と動画内でコメント。長谷川氏には「人との接し方をちゃんとしなきゃ恥ずかしい」と苦言した上で、航空会社に対しても乗務員からの手紙にあるような「特別対応」を取ることは「おかしい」と指摘していた。

財界さっぽろだけが報じてきた長谷川氏の“やりすぎ”

 前出の週刊誌内で、吉氏の指摘する国会議員が「H」とされた後、道内政界や霞が関ではそれが誰なのかが話題となっていた。北海道関連の国会議員では、長谷川氏と衆院比例北海道ブロック選出の堀井学氏のいずれも自民所属議員2人だけ。そしてその“本命”は長谷川氏だった。

 それはなぜか。長谷川氏は客室乗務員に限らず、自身が力を入れてきた政策や事業に対し、その思い入れの強さから、かかわる役人や関係者に対する“アタリ”が非常に強いことで知られてきたからだ。

 道内の自治体幹部は「期待通りの動きが悪いと相当の勢いで叱責することも珍しくない。メンタルを壊した職員や役職を辞した経済団体幹部の例も枚挙に暇がない」と声を潜める。

 本誌・財界さっぽろでは、長谷川氏が旗振りをしてきた事業に関連した「やりすぎ」事案を数多く報じてきた。

 本サイトで報じた直近の例を挙げよう。

◎東京事務所長が不可解な途中交代 長谷川岳にいいなりの札幌市、元凶は誰だ?

 上記記事は、札幌市の出先機関である市東京事務所の所長が就任8カ月で交代した、という異例の人事の裏側を掘り起こしたもの。

 前所長のA氏は市役所内のエリートコースを歩み、22年4月に着任。だが昨年月に札幌市で行われた「G7気候・エネルギー・環境大臣会合」の開催地立候補にかかり、長谷川氏が「高い要求を続けた」のだという。

 長谷川氏は環境問題や再生可能エネルギーの道内誘致、とくに「グリーントランスフォーメーション(GX)」投資の札幌市・北海道内での環境整備に並々ならぬ意欲を燃やしている。その足がかりとなるのがG7会合誘致で、市幹部や市議会との連携を強めていた最中に起きたのがこの出来事だ。

「A氏の後任として着任した市幹部のB氏は、長谷川議員の北海道大学時代の先輩。大学生のころにバイト先で知り合ったといい「岳ちゃん」と呼べる間柄で、幹部らも長谷川氏対策として抜擢した側面がある」(札幌市関係者)

 こうして長谷川氏の要望に応えた結果、G7の会合誘致は成功。昨年4月に札幌市内で開催されたのだが、そこに多くの“血”が流れたことを詳報したのが、以下の記事だ。

◎倉本聰ねじ込み、担当職員が時間外勤務3800時間…“影の市長”長谷川岳がG7会合でまたも“やりすぎ”

 G7会合の冒頭「北の国から」で知られる北海道在住作家・倉本聰氏が手がけたメッセージ動画が上映された。だがその内容は「文明に麻痺していませんか」「豊かさを求めるのは止めましょう」など、原理主義的な主張だった。

 環境に配慮した持続的な開発、が昨今の環境関係会合の主たるテーマ。そこに冒頭から真逆のメッセージが流れたわけだが、倉本氏の起用自体、氏を慕う長谷川氏の提案とされる。

 さらに上記記事では、この会合にかかる準備を担当した市の担当部署が準備のため、猛烈な負荷にさらされていたことを明らかにした。係長以下13人の総時間外勤務時間は準備期間の半年で3839.5時間。1人1カ月あたり49.2時間で、これは市の係長職以下全体の平均にくらべ3倍強にあたる。市の時間外勤務は条例で45時間までに制限されており、ばらつきがあることを考慮しても、それを踏み越えている職員がいるのは間違いない。

 本記事では「開催準備期間はことあるごとに長谷川氏から東京まで呼び出しを受け、課された“宿題”を解決する、の繰り返しで“不夜城”と化していた」と市幹部が明かしている。

 もう1つ長谷川氏が力を入れてきた事業に、航空行政への関与がある。とくに札幌市内の小規模規模空港で市が滑走路延長を目指す「札幌丘珠空港」には造詣が深いという。

◎やり過ぎ長谷川岳、今度は丘珠滑走路延長で……札幌市まで民間シンポに圧力

 その思い入れが強すぎた結果招いたのが、上記記事だ。22年12月、丘珠空港の地元でその利活用を目指す団体が、シンポジウムの開催を企図。だがそれが伝わると、水面下で長谷川氏が懸念を表明していることが関係者に伝わったのだという。

 この団体は民間企業の経済人などでつくるもので、シンポジウムに先だって民間航空会社への依頼により、丘珠―羽田空港便をチャーター機で飛ばすなどさまざまな活動を行ってきた。

 だがこれが“懸念”につながった。詳細は本稿に譲るが、長谷川氏は「市に団体との情報共有や連携をしっかりするよう“強く伝えた”」結果、市幹部から団体に同様の“懸念”が伝わり、結果としてシンポジウムは、有料入場券の販売もあらかた終わった開催3日前に突如延期。1年以上経つ現在まで開催されていない。

 さて、本誌は21日朝に長谷川氏とコンタクトを取ったところ「自身のブログにて考え方を説明します」とコメントした。

 その後正午過ぎに自身のブログを更新。「本日は航空政策および飛行機の遅延についての考え方を述べたいと思います。」と題し自身の経験した搭乗や到着遅延についての考え方を述べた。

 一方で、吉氏や手紙を書いた客室乗務員に対する直接の言及はなかったため、本稿執筆現在でも、吉氏の動画やSNSでは批判が次々とポストされている状況だ。

 今回の“炎上”を受けて、本誌のもとには上記以外にも長谷川氏のさまざまな「やりすぎ事案」が届いている。当サイトではそうした事案についても、長谷川氏に引き続きコメントなどを求めた上で詳報していく予定だ。

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