【追記・会長は回答拒否】JA道中央会本所職員の大宴会で役員が“一気飲み”強要か【独自・無料公開】

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コロナ明けでハメを外し過ぎたのか、はたまた“本性”か――

「懇親会の場にいた中央会職員が次々『一気飲みをさせられた』とわれわれに訴え出ている。その音頭を取ったのは柴田専務とその子飼い職員。とくに女性職員がショックを受けている」

 JAグループ北海道の関係者が声を潜めて本誌記者に明かすのは、同グループの中核組織、JA北海道中央会が9月15日に行った職員向けの親睦会の席上での話だ。

 この日、JA北海道中央会は「スポーツ大会」と銘打った親睦会を開催。会長の樽井功氏を始めとする本所勤務の役職員、総勢50人以上が1次会のボウリングに続き、ススキノの大型居酒屋「G」で開かれた懇親会に参加した。
 本誌が複数の情報源から得た当日の状況によれば、この席上で同会の学識経験者枠理事で専務の柴田氏が音頭を取り、その場にいた職員らに一気飲みを強要したという。

「柴田専務自ら、その場にいた職員に対して一気飲みを勧めた。勧めるというよりほぼ強制。下品な一気飲みコールが大声でがなり立てられ、誰もやめようとは言えない雰囲気だった」

「よく出張に同行させるお気に入りの役職者を始め“子飼い”の職員が同調して煽っていた」

「専務らは職員だけではなく、樽井会長にも一気飲みを強要したと聞く。そもそもなぜ会長自ら止めなかったのか」

「アルハラ(アルコールハラスメント)では生ぬるく、パワハラと言っていい。女性職員に対するセクハラまがいの言葉も飛び交った」

 これらはいずれも職員やJAグループ関係者の証言だ。

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JA北海道中央会専務の柴田倫宏氏

 一気飲みなどアルコールに関連する問題に取り組んできたNPO法人「ASK」(東京都)の担当者は、組織内の力関係上断れない状況での一気飲み、アルハラについての見解として「上下関係を背景にしたアルハラは、逆らえない心理や場の空気を生むため、とても危険です。日本人の半数がほとんどお酒を飲みません。職場としてその人たちへの配慮は必須。そもそもアルコール以外の選択肢がない飲み会は、アルハラに該当します。また、飲めるタイプの人たちも短時間に大量のお酒を飲めば急性アルコール中毒になりますし、帰り道に転倒・転落などの事故も起きます。飲み会では、酩酊者が出ないよう注意する必要があります。翌朝の出勤時の飲酒運転を防ぐためにも、飲み過ぎ防止への配慮が必要です」と説明する。

 冒頭のJAグループ北海道関係者は「一気飲みの強要といえば大学に入りたての1年生が急性アルコール中毒で死亡するといった話が主で、それも過去の話。今や一気飲みはしない、させないなんて、社会通念上の常識だ。それをいい年をした社会人の集まりで、しかも権力を一手に握る事務方トップが率先して煽るとは……さすがに看過できない」と憤る。

 10月2日、本誌記者は同会の広報担当に対し、上記の件についての事実確認を主とした質問書をメールで送付。同5日木曜午前までに返答するよう依頼したが何の連絡もなく、そのため本誌11月号での掲載を見送った。本稿の公開直前まで連絡を取ったが、広報担当者は電話には出なかったため、以下に同会に送った質問内容を掲載する。

 このあと質問に対する回答があれば本稿にて追記するが、それでも返答がない場合は今月31日火曜13時30分から予定されているJAグループ北海道の定例記者会見にて、会長の樽井氏にあらためて質問した上で回答を財さつJPに掲載する。

〈質問項目〉

(1)9月15日金曜夜、貴会本所に所属する全役職員が参加した「スポーツ大会」と称するボウリング大会後の懇親会(ススキノの大型居酒屋にて開催)において、柴田倫宏専務と専務に近しい間柄の職員が懇親会に参加するほかの職員に対し「一気飲み」を勧めたと聞くが、事実か。

(2)前項に関連し、柴田氏は一気飲みコールの音頭を自ら取ったと聞くが、事実か。

(3)前項に関連し、樽井功会長、小椋茂敏副会長の常勤役員2人も参加したと聞くが、事実か。また柴田氏は樽井会長にも一気飲みを勧め、樽井会長も実際に一気飲みを行ったというが、事実か。事実の場合、樽井会長は一気飲みを止めなかったのか。

(4)前項に関連し、一気飲みをした職員の中には女性職員も含まれると聞くが、事実か。

(5)前項に関連し、アルコール類に限らず飲料の一気飲みによる危険性は長年にわたり周知されているところであると考えるが、常勤役員含む役職者自ら危険な行為を行ったことに関する貴会の見解は。

(2023/11/1 18:00追記)

 10月31日13時30分から行われたJAグループ北海道の定例記者会見にて、上記「一気飲み疑惑」について、中央会会長の樽井功氏に質問した。ところが、樽井氏は「プライベートなことですし、定例会見の場にそぐわないので差し控える」として、回答を拒否した。

「会見の場にそぐわない」とのことだったため、会見終了後、広報担当者に対してあらためて質問に対して回答をするか確認したところ、担当者の上司とおぼしき人物が立ちふさがり「(財界さっぽろには)一切回答をしませんから」「こういった話に回答する必要はありませんので」と、認否も含めて全面的に〝無視〟することを宣言した。

 11月14日に当サイトおよびデジタル版公開、翌15日から全道書店・コンビニエンスストアで発売される財界さっぽろ2023年12月号では、本誌記者が質問書を送付して以後の同グループの動向や役員の見解、この会見でのやりとりなど周辺動向について詳報する。

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