「彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠」「東京、はじまる」

 ぼくは「大学」という名の〝内戦地域〟から逃亡した。『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』(樋田毅著、文藝春秋刊)は、手にとっては書店の棚に返すを繰り返した、気になるけど〝嫌な本〟だ。それをなぜ読み、あまつさえこうして紹介文を書いているのか、自分でも自分自身の心が奈辺にあるのかわからない。 中国(東洋)哲学にするか、マルクス経済学・政治学にする...

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