【独自・無料公開】よっぽど取材拒否関連の質問に答えるのがイヤだった? 再選後初会見でなぜか〝テンション激低〟の鈴木直道知事【続報】

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再選後初の定例記者会見に立つ鈴木直道知事

 4月9日の知事選に当選した当日、個別の質問に答えるのを拒否したことで、複数のテレビ局が番組の出演依頼を取り下げたことが話題になった、鈴木直道知事。13日には再選後初の定例記者会見に臨んだが、なぜか元気なく登場。満を持して核ごみ問題など個別の質問をぶつけた各テレビ局に対しての回答は……。

「初登庁後の初の定例の会見でございます。このたび、多くの道民のみなさまのご支持をいただき、再び知事として道政を担わせていただくこととなりました」

 4月13日午後3時半から道庁で開かれた、鈴木直道知事の定例記者会見(道の会見公式動画はこちら)。挨拶回りなどを経てこの日が公務の再開日で、再選後初めて道政記者クラブ加盟各社と相対する場であった。

 本サイトで報じた通り、知事は当選当日、クラブにも加盟する複数の道内テレビ局がインタビュー出演を依頼した際、高レベル核廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定について「個別の質問には答えられない」として出演を拒否した。この際の言い訳が「個別の質問は記者会見の場で答える」というものだったことから、注目が集まっていた。

 だが出席したクラブ加盟社の記者や、道が配信するYouTubeでの生中継を見た本誌記者らは、知事の様子にのっけから違和感を覚えた。なぜかテンションが異常に低かったのだ。

 冒頭の挨拶に続き、知事選遊説中から語ってきた「エネルギー・デジタル・食の三つを一体的に推進をし、北海道の価値を押し上げていくため、果敢に挑戦する」といった所信表明をした後、質疑応答へ。

 読売新聞の記者が「2期目に臨むにあたり、人事や予算、政策が動いていく中、どういうカラーを出していくのか、狙いは何か、といった現時点の思いは」と質問したが、知事は「選挙戦でお訴えしてきたことを形にしていきたいというふうに思っています」とだけ答え、露骨に塩対応を見せたのだ。

「え、それだけ?と思いました。終わった後、読売の記者も『なんだよ、あれ』とボヤいていましたね」(道政クラブ記者)

 会見に出ている記者らが首を捻る中、続いて今日の〝メーンイベント〟である、出演を拒否されたHBC、HTBの出番に。

 まずHBCは、投開票日に出演交渉をしたものの断られた際の質問「核ごみの最終処分場選定の問題で反対の立場を貫いているが、現実問題として増える核ごみはどうしたらいいか?」ととあらためて聞いた。

4月13日放送HBC「今日ドキッ!」内で流れた会見の模様(同局公式サイト動画ニュースより)

 知事は「(特定放射性廃棄物の持込みは慎重に対処すべきであり、受け入れがたい、とした)核ごみ条例制定の趣旨を踏まえて、現時点において反対の意見を述べる考えに変わりはない」「道としては、引き続き国やNUMO(原子力発電環境整備機構)に対して、全国において最終処分事業の理解促進に向けた取り組みを一層、加速していくよう求めていく必要がある」などと回答。

 だがHBCが本当に聞きたかったのは「今ある核ごみをどのようにするといいのか」という質問。そのためもう一度聞き返したが、知事は「今お話しした通り」とだけ答え、具体的な考えは示さなかった。

 またHTBは、より直接的に、当選当日の個別質問を受けなかったことに対する考えを質した。

4月13日放送HTB「イチオシ!!」内で流れた鈴木知事の釈明の言葉(同局公式サイト動画ニュースより)

 これに対し知事は「これまでも記者会見の場などでは時間が許す限り質問に答えてきた」と説明。

 その上で当選当日の質問拒否については「共同インタビューに応じている。その上で当日は時間に限りがあるため、希望に対応することは難しかった。そのため、翌日(10日)朝にも取材時間を設けた。この3段階で対応するよう選対(事務所)に伝えていた。報道の希望に応えられられなかったことは申し訳ないと思う。今後も時間の許す限り丁寧に回答していきたい」と釈明した。

 一応、謝罪の言葉こそ繰り出したものの、この回答ではSTV、UHBにそれぞれ当日と翌日出演したことについての説明にはならない。

 そのため会見終盤、北海道新聞の記者からは「質問内容などを理由として出演する、しないを選んでいたとすると、メディア選別のようにも見えかねないが、本当に日程上の理由であって、事前質問のテーマなどで判断したのではないのか」と質問があった。

 だが知事の答えは、HTBに対しての内容とほぼ同様。その上で「当選確実が出て以降というのは深夜。報道の都合などもあるかとは思うが、さまざまな対応があり、十分お答えができなかったことは申し訳ない」と、噛み合わないままだった。

 なお13日夜の各局の夕方ワイドは、知事が出演したSTV、UHBは会見の内容自体を報道せず。HBCは核ごみ問題についての質問と回答を、HTBは個別質問を受けなかった理由についてそれぞれ報じた。

 ちなみに知事のテンションが激低だった理由について、ある道幹部は「この日の早朝にあったJアラート関連でぶら下がり取材を受けた時はテンションが高かった。そこから推測するに、ぶら下がりや講演、イベントなど自分が好きなことを話せる場は好きなのだと思う。つまり、そもそも質問されるのが嫌い、または苦手なのだろう。コロナ禍が過ぎて2期目を迎え、本領を発揮してもらわないといけない中でこの調子では困るのだが……」とこぼしている。

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