
【特集】マンションの価値は運営で決まる管理会社が論ずるべき“議題”
物価高騰はマンション管理組合にも影響を及ぼしている。修繕を滞りなく行うためには、抜本的な計画の見直しが急務だ。快適な生活を守るためにも、信頼できる管理会社や技術力のある施工会社、資産価値を高める設備会社を検討したい。
〝これまで通り〟の運営はもう通じない
多くのマンション管理組合で居住者の高齢化が進んでおり、役員のなり手不足も深刻化している。同じ組合員が役員を続けているケースも多く、理事会や総会の議論がマンネリ化しているケースも少なくない。
また、近年は工事価格の上昇を背景に〝これまで通り〟の運営が難しくなっている。修繕積立金の不足により、適切なタイミングで工事を実施できないケースが今後増えていくだろう。今こそ、しっかり議論すべきではないだろうか。
まず考えるべきは、大規模修繕工事が何年後に控えているのか。建築業界の人手不足も相まって、コスト高はこの先も続くと考えられる。現在の積立金が適正かを精査する必要があるだろう。
工事の優先度も再考してほしい。例えば外壁。万が一、タイルなどが剥落すると、住人や通行人に怪我をさせてしまう危険性をはらむ。車の破損や人命を奪う事態にもつながりかねない。劣化を防ぎ、美観を保つためにも修繕工事は必須といえるだろう。
屋上の劣化もあなどれない。防水機能が低下することによって雨漏りにつながる可能性がある。傷んでいる部分があったら防水工事を検討したい。
また、給排水設備などの点検や清掃、修繕も不可欠だ。定期的な配管の取り換えが必須だが、近年は一度取り換えれば配管更新が不要な新工法も登場しているという。
〝直す〟以外にも、資産価値を向上させる設備の導入も考えたい。近年のセキュリティーおよび〝非対面〟意識の高まりを背景に、新たに設備を導入するケースも増えている。宅配ボックスやモニター付きインターホン、防犯カメラ、オートロックなどはその最たるもので、管理組合と設備会社が直接契約を結ぶケースも多い。
このように、マンション運営には専門的な内容が多く、管理組合だけで低コストな修繕計画を立て直し、優良な施工業者を選定するのは困難を極めるだろう。やはり提案力に長けた管理会社を選ぶこともポイントとなる。
また、大規模修繕工事の施工会社を決定する際、イニシャルコストは重要な判断材料のひとつだが、近年は次回の大規模修繕工事までの間隔を延ばせる耐久性・防汚性に優れた修繕プランを提案する会社も存在する。将来を見据えて、建物のことを安心して任せられるパートナーを見つけて欲しい。
そこで本特集では、提案力に優れた管理会社をはじめ、高い技術力を誇る施工会社、資産価値を向上させる設備会社を紹介する。気になる会社があれば問い合わせを。