NORD第2回演劇公演で4人が魅せるLevel Up!【トムとディックとハリー観劇記・無料公開】

©坂井亨輔

第2回演劇公演「トムとディックとハリー」に挑むNORDの4人

※配役とあらすじ程度の解説があります。ご注意ください。文中敬称略。

 北海道を中心に活躍するボーイズユニットNORD(のーる・オフィスキュー所属)の第2回演劇公演「トムとディックとハリー」が10月4日からジョブキタ北八劇場で開幕する。
 養子縁組を望むトムとリンダの夫妻の元に、トムの弟ディックとハリーが次々と問題を持ち込むというストーリー。ジョブキタ北八劇場の納谷真大芸術監督が演出を担当する。
 3日には、関係者とオフィスキューファンクラブ会員を招いた、ゲネプロ(本番同様に舞台上で行う最後のリハーサル)を実施した。

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舟木健(写真中央)は街を歩く女性を見ながら役づくりをした

 本作でまず目を引くのは、主人公の妻リンダを演じる舟木健。外見、声の張り方、所作のどれもが女性そのもの。ところどころ本来の舟木の顔をのぞかせて笑いを取る場面はあったが、作中では強気だが繊細さも持ち合わせている女性を演じきっている。
 財界さっぽろオンラインの過去企画では、ファンを対象に、メンバーを父、弟、彼氏、夫に例えると?というアンケートを実施した。詳細は省くが、弟部門は島太星が1位となり、夫部門では「頼りがいがある」という要素を主な理由として、安保卓城が大差で1位だった。

【Twitter連動企画】ノル友さんに聞く~メンバー全員が1位を獲得!~ (WEB版・後編) | 財界さっぽろ (zaikaisapporo.co.jp)

 今作では島が三きょうだいの長男トム、安保が三男ハリーを演じる。
 問題児の弟2人に手を焼き、その場をごまかすための嘘を重ねていくトム。バラエティーでの〝迷回答〟や、YouTubeチャンネルでの美声などで形成された島のイメージとはあえてずらした配役である。
 だが一方で、NORDとして叶えたい夢のため、実直に努力し続ける島と、夫婦の願いと弟たちのために奮闘する姿にはどこか通じるものもある。
 安保のツッコミ役で気配り上手というグループ内での姿と、トラブルメーカーの末っ子は普段のキャラクターも正反対。悪意はないが世話の焼ける弟役は、新たな安保像を作り出すきっかけとなるかもしれない。
 次男ディックを演じる瀧原光は、グループ内の普段のキャラクターに近いと言われている。だからこそ、自身の経験値が今作でも生きている。
 瀧原は今年5月、ジョブキタ北八劇場こけら落とし作品「あっちこっち佐藤さん」において、唯一のシングルキャストとして30ステージを完走。直後に鈴井貴之のプロジェクト「OOPARTS」による特別公演「天国への階段 北海道re-mix」にも出演した。
 厄介ごとを持ち込み、先にある問題を片付けず、舞台上を縦横無尽に駆け回り、さらなる火種を持ち込むディック。舞台連続出演をこなした今の瀧原だからこそのダイナミックな演技となっている。公演後の囲み取材で「コメディーは何があるかわからない」と語る姿にも、頼もしさがあった。
 もっとも、経験値を得たのは瀧原だけではない。メンバーそれぞれがグループ内外でのライブ活動、テレビ出演、舞台活動などを続けてきた。
 記者は2年前、4人へのインタビューを行っている。その際には、ファンサービスを欠かさず、目の前のことに実直に努力し続ける青年たちという印象だった。
 時を経て、実直さはそのままに表現の幅が広がっていることを今作では実感させられた。
 12月15日にはZepp Sapporoでのワンマンライブ、翌日にはファンクラブ会員限定イベントも予定する。偉大な先輩TEAM NACSと並び立つ、そんな未来を予感させる。

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