【無料公開】打ち上げ花火、数で選ぶか?大きさで選ぶか? 北海道新聞社が参戦・花火大会〝秋の陣〟

モエレ沼公園での音楽と光の演出(北海道芸術花火公式サイトより)

 北海道新聞社が札幌ドームで花火大会を初開催する。9月に行われる大会では「モエレ沼芸術花火」が先行してきたが、札幌市民にとっては選択肢が増えた格好。両大会の内容や関係者が語る「有料大会」の選び方は。

 道新が新設する「秋華火」は、9月15日に札幌ドーム屋外のオープンアリーナで開催。場内の観覧は有料で芝生やテラスなど、5種類合計で約1万6000席を設ける予定だ。

道新・秋華火は9月15日に札幌ドームで初開催(公式サイトより)

 札幌市内で毎年9月に行われる有料の花火大会といえば、市郊外のモエレ沼公園で行われている「芸術花火」が先駆けの1つ。こちらは市内の会社経営者有志が手弁当で集まったのがきっかけで、チケット収入や企業協賛金を募り2012年に初めて開催された。18年の胆振東部地震の影響による中止以外はコロナ禍でも工夫しながら開催を継続し、コロナ禍前の19年に約2万6000人の有料入場者を集客する初秋の風物詩として定着してきた。

北海道芸術花火2024は9月7日開催(公式サイトより)

 チケットは秋華火が3000円台、芸術花火は5000円台からとどちらもそれなりのお値段。両方は行けない場合、購入動機として一番わかりやすい指標は打ち上げる花火の数だろう。公表されている中で道内最大は7月の有料大会「北海道真駒内花火大会」で2万2000発。市外だと、帯広市で行われる勝毎花火大会が約2万発(近年は非公表)。無料だと札幌の道新・UHB花火大会が4000発。釧路や江別、網走で1万発程度の無料の大会がある。

 その点、秋華火は約1万8000発を打ち上げるのに対し、芸術花火は非公表となっている。だがイベント関係者は「花火大会は数で選ぶだけでなく、打ち上げる花火の大きさや演出も含めて選ぶ方法もある」と話す。

 花火は打ち上げる玉の直径と開花つまり爆発する時の高度、開花時の大きさによって「号」というサイズの目安がある。一番小さい3号だと玉の直径が9cm。打ち上げ高度120mで開花時60m。4号で直径12cm、高度160m、開花時130mなどとなっている。

 他方、花火大会の開催にあたっては、法に基づき打ち上げる場所から客席や建物までの距離がどれだけ取れるかに応じて、打ち上げられる最大の大きさに制限がある。秋華火は札幌ドームのオープンアリーナという立地から、この4号玉が最大と見られている。小さめの玉を大量に打ち上げる演出になるだろう。これに対して芸術花火は10号玉を打ち上げることが可能。これは直径30cm、高度330m、開花時は320mにもなる。

 もちろんどこで見るか、つまり花火の打ち上げ場所から自分のいるところまでの距離も関係する。有料大会の場合、相対的に近い場所で見るので、より近くで大きな花火を見るか、多くの花火を見るかで比較検討できよう。

 間近で見るということで言えば、有料大会は音楽や照明などの演出にもこだわっている。芸術花火も秋華火も、その年の花火師日本一を決める全国花火競技大会「大曲の花火」(秋田県大仙市)で最優秀賞(総理大臣賞)を獲得した、国内有数の業者が参加している。

 さらに芸術花火は、10社以上の有力花火業者とプロの演出家らがチームを組み、公園内の起伏に富んだ地形を生かしながら音楽や照明を組み合わせて打ち上げている。「茅ヶ崎サザン芸術花火」(神奈川県)を始め、同じチームが手がける大会が道外でも増加して「芸術花火」ブランドが広がっており、モエレの大会も今年から「北海道芸術花火」に名称を変更。来年は日本を飛び出し、国際大会に出場を予定する。

 北海道芸術花火は9月7日、秋華火は15日の開催。チケットの席種や価格、入手方法は下記のリンクから確認を。

●北海道芸術花火2024公式サイト

●道新・秋華公式サイト

鈴木直道知事も花火の玉の大きさを解説(鈴木知事の公式Instagramより)

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