【全4話】札幌市がひそかに温める、札幌ドーム生き残りのウルトラシナリオ①

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札幌ドームの左側が新月寒体育館の建設予定地

 ファイターズが去った後の札幌ドームは悲惨というしかない。周辺では新アクセスサッポロと新月寒体育館の整備計画があるが、それぞれ課題を抱える。これら施設を巻き込んだ札幌ドーム生き残りの極秘シナリオがあるという。――全4話中の第1話。

札幌ドームの5カ年収支を見直す?

「少し先の話だが、市側は札幌ドームの今後の活用策で民間の力に頼るかもしれない。ただし、運営会社を変えるということではない。一方で、ゴールは別のところにあるようだが……」(市役所関係者)
 想定されていたこととは言え、現状の札幌ドームの経営は誰がみても厳しい。活路を見いだそうと取り組んだネーミングライツ、整備に10億円を投じた新コンサートモードなどは、今のところ不発だ。
 札幌ドームは市が所有し、その運営は第3セクターの株式会社・札幌ドームが担っている。今の札幌ドームの厳しい経営状況は、これまで〝殿様商売〟をしてきたつけが回ってきたという見方も少なくない。
 収支予測は、今のままでは先行きが暗いというのが衆目の一致するところ。札幌ドームは3月期決算。ファイターズの移転を受けて、市は23年度~27年度までの収支見通しを公表している。23年度決算では2億9400万円の赤字を想定しているが、その額はさらに膨らむとみられる。
 それでも、24年度は9000万円の黒字を確保するとしているが、 市スポーツ局の担当者は「5カ年の収支見直しも検討していかなくてはならないかもしれません」と説明する。
 市としても赤字を垂れ流し続けるわけにはいかないため、何か策を講じなくてはならない。
 担当副市長は、スポーツ局を所管する石川敏也氏。当然、札幌ドームの経営改善に頭を悩ませている。
「冒頭のビジョンは、石川副市長が描いているものではないか。しかし庁内で具体的な議論がなされているわけではなく、スキームも固まってはいない」(前出市役所関係者)

第②話:アリーナ問題でレバンガが大人な対応

第③話:ドーム〝至上主義〟の石川敏也・札幌市副市長
第④話:新アクセスサッポロ・新月寒体育館との〝一体化〟

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