【独自・無料公開】元秘書横領問題で複雑化?安倍派キックバック問題、道9区の堀井学副大臣にパーティ収入不記載の疑念

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堀井学氏

「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していたとみられる問題。同派に所属する北海道9区の堀井学衆院議員が、直近5年間でキックバックを派閥から受け、政治資金収支報告書に記載していない疑いがあることが、複数の関係者への取材で明らかになった。堀井氏は登別市選出道議を経て、2012年の衆院選で初当選。現在4期目。外務大臣政務官などを務め、現在は内閣府副大臣の要職にある。

永田町関係者の話。

「堀井事務所はここ数年で、秘書が相次いで辞めて大混乱。会計責任者も次々に交代している。東京地検は元秘書といった堀井事務 所関係者から任意で聴取しているようだ」

 ただ、堀井氏をめぐっては他の議員とは事情が異なるという。昨年8月、元公設秘書が後援会から預かった120万円を着服したとして、業務上横領の罪に問われた。今年5月、札幌地裁室蘭支部は執行猶予のついた有罪判決を言い渡した。2022年度の堀井氏が代表を務める自民党第9区支部の政治資金収支報告書をみると、政治活動費の支出目的の内訳に「横領」として、1493万9989円と記されている。収入の借入金の項目に「堀井学」として、1300万円を計上している。また、22年度の堀井氏の政治団体「ともに歩き学ぶ会」では、同じく「横領」で869万6893円を計上している。

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2022年度の自民党北海道第9区支部、政治活動費の内訳に記載された「横領」の項目
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2022年度の自民党北海道第9区支部の収支報告書、1300万円の借入先は堀井学氏
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22年度の堀井氏の政治団体「ともに歩き学ぶ会」には、「横領」として約860万円を記載

 共同通信などの報道によれば、元公設秘書はトータルで約2364万円を横領したとの記載があったことに対して、「そんなに横領していない。報告書は虚偽であり、速やかに訂正してもらわないと困る」と話しているという。このように収支報告書をめぐり不可解に事態に陥っている。

「東京地検はキックバック問題、横領事件に関する資金の流れも含めて、慎重に調べているとみられる」(前出永田町関係者)

 堀井氏は周囲やメディアにキックバックの有無について「過去5年分の収支報告書を精査して事実確認ができ次第報告したい」と説明しているようだが、本人と連絡が取れ次第、コメントを追記する予定だ。

 11日午前、岸田文雄総理は安倍派議員の政務三役交代について、「適切なタイミングで適切な対応を考えたい」と語った。

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