【速報・無料公開】畜産・酪農道内最大手「ノベルズ」グループが官民ファンドの支援で事業再生へ

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支援決定を公表するノベルズグループのWebサイト

 十勝管内を拠点として道内外15の畜産、酪農牧場で乳牛・肉牛合わせ3万2000頭を飼育する「ノベルズグループ」が、官民ファンドである地域経済活性化支援機構の支援で事業再生を目指すことになった。

 同グループは社長の延与雄一郞氏のもとで2006年に設立。肉牛の生産からスタートし、わずか5年で1万5000頭を飼育する道内トップクラスの畜産事業者に成長した。

 その後、経営多角化の一環で酪農にも乗り出し、同管内の清水町と浦幌町の2拠点で昨年度に飼養頭数約5800頭、生乳出荷量5万7374トンと道内最大手のギガファームとなるまで規模を拡大していた。従業員数役700人、総売上高は21年12月期に312億円を積み上げ、国内有数の畜産・酪農グループとなっていた。

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十勝管内上士幌町にあるノベルズ本社

 だが19年に初の道外進出となる山形県酒田市での畜産クラスターを活用した酪農事業がトラブルに見舞われ、稼働できないまま訴訟沙汰に。行きすぎた経営合理性、経営効率化で人手不足に陥り、現場が疲弊するなどの弊害も起きていたとされる。

 そこへ新型コロナウイルス禍による肉牛相場の低迷や資材高騰が追い打ちをかけ、経営状況が悪化。業界関係者にも経営危機が漏れ伝わることとなり、その後の動向が水面下で耳目を集めていた。

 同グループが今回支援を受ける地域経済活性化支援機構は、根拠法に基づき、有用な経営資源を持つ地方企業の再生支援を行う官民ファンド。同グループは機構から資金余力の確保とそのための関係金融機関との調整、第三者割当増資による10億円の出資と15億円の新規融資を受ける。また経営人材の派遣を受け入れ、経営体制の強化を図ることになる。

●過去の記事はこちら
生乳生産道内最大手 ノベルズ(上士幌町)“経営不振説”の真贋
https://zaisatsu.jp/news/article-23536/

●ノベルズのニュースリリース(PDF)

●地域経済活性化支援機構のニュースリリース(PDF)

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