【特別インタビュー】マイナビ北海道支社長/長澤 昌範インタビュー「自ら働きかけて相手にあわせる協調性が必要」
(ながさわ・まさのり)1978年、長野県生まれ。2003年、慶應義塾大学卒。民間企業を経て、08年に同社に入社。長野支社長から、昨年10月から現職。
来春卒業予定の大学生の就職活動が真っただ中だ。どの企業も採用数を増やしているという。企業側はどのような人材を求めているのか。最近の学生の特徴とは。マイナビ北海道支社長の長澤昌範支社長に聞いた。
採用側もZ世代の傾向に柔軟に対応
——新卒(2024年卒業見込み)の就職活動の現状を教えてください。
長澤 : 学生に有利な〝売り手市場〟が続いています。新卒向け就職サイト「マイナビ2024」の会員学生を対象にアンケートを実施しました。5月末時点での内々定率は70.2%です。昨年同期比が65.5%で、年々高くなる傾向にあります。学生には、就活が簡単と思わずに、できるだけ慎重に自分の将来を考えてもらいたいです。
——コロナ禍を経験して、就活のスタイルが変化していると思います。
長澤 : ここ数年、ウェブを利用した企業説明会、面接が主流になってきました。現に道外の学生と道内企業が面接をしやすくなっています。企業、学生双方にメリットがあります。
——就活ではインターンシップが主流になっているそうですね。
長澤 : 採用とインターンシップはシームレスにつながっている形です。インターンシップの期間にうまく活動できない学生はつまずいてしまうかもしれません。
就活は大学3年生の3月から本格的なスタートになっています。採用する企業側がそこからスタートしても遅いです。3年生6月からはじまるインターシップなどを通して、企業認知を広めていただく必要があります。3月1日の段階での内々定率は18%です。
いま、当社は若年層へのキャリア教育に力を入れています。就活に直接結びつくわけではありませんが、どのような仕事をしていきたいのかなど、そのきっかけをつくる活動をしています。大学内におけるガイダンスの機会を設けていただいています。
——企業側も新卒採用数を増やしているのでしょうか。
長澤 : 「マイナビ2024」には、道内に本社を構える約1000社を掲載しています。全体的に採用数を増やす傾向にあります。北海道でいえば、観光関係はコロナ禍で落ち込んだ分、盛り返している印象です。採用活動にお金と労力をかけなければ優秀な人材を確保できないようになってきています。
——マイナビでは就活生の人気企業ランキングを発表しています。
長澤 : 北海道は食品、観光関連企業が上位にランクインしています。金融関係も根強い人気がありますね。現実は異なりますが、準公務員のように捉えている学生が多い印象を受けます。
——学生が企業を選ぶ基準を教えてください。
長澤 : 学生へのアンケート調査を見ると、「安定した企業がいい」という答えがとても多いです。守りに入ったような選び方が強い気がします。楽しく平穏に働きたいといいますか。それも〝ラク〟と読めてしまう傾向です。
あわせて福利厚生の面です。面接で「年間休日」「毎月の平均残業時間」などについて普通に質問します。コロナ前からそうした傾向があり、Z世代の特徴です。
——転勤の有無も重要視していると聞いています。
長澤 : 転勤がない会社を選びたいというパーセンテージが高いです。採用する側はいまの学生に物足りなさを感じるかもしれませんが、企業も変わらなければなりません。その世代の特徴を把握して、どれだけ柔軟に対応できるかが大切です。
——入社してもすぐに退職するケースも少なくありません。
長澤 : 企業側とミスマッチが起きれば、数カ月できっぱり退職してしまいます。第二新卒として、受け入れてくれる転職先が多いことも背景にあります。
私たちが新入社員の頃、少なくとも3年は働きなさい、と言われました。それぐらい在籍していなければ、会社や業種のよさもわからないということです。新入社員側には自分から企業に合わせていく姿勢も必要ではないでしょうか。せっかく縁があり入社したのにもったいないと思います。転職先は前向きな意識持って志望する人材を求めていますので。
平準化した世代だからこそ、きらりと光る
——企業側が求める人物像は。
長澤 : 言い古されているかもしれませんが、まずはコミュニケーション能力のある学生です。口が達者ならいいというわけではありません。しっかり自分の意見を発信できて、逆に相手の声に耳を傾けられる。つまり、インプット、アウトプットができるということです。
そのほか、周りを巻き込みながら働ける力があるかどうかです。協調性といっても、自ら働きかけて相手にあわせる能力です。
学生からすれば逆にチャンスです。きちんとした挨拶ができるとか、自分の言いたいことをきちんと発信できる部分を見せていくと、ほかの学生に抜きんでることができます。平準化した世代だからこそ、きらりと光る個性を見せればアピールにもつながります。
——「マイナビ新卒紹介」というサービスを展開しています。
長澤 : 「マイナビ新卒紹介」はとくに北海道で好調です。これは学生が登録して、当社から企業を紹介する仕組みです。中途、転職マッチングの新卒版です。地方の優良企業のような学生だけでは気がつかないところまで、当社がアドバイスできます。
以前の「マイナビ新卒紹介」は、就活生と一緒に大学3年の3月からスタートして、6月頃に内定がでる形です。そのため、内定をもらえず困っている学生の〝駆け込み寺〟のような利用でした。いまでは、利用するタイミングがどんどん早まっています。
新卒採用を検討される企業の方々には、一つのツールとしてご活用いただきたいです。


