【札幌市議選2023】手稲区(定数5)

自民は10期の大ベテラン・武市憲一が勇退。後継として西区道議・和田敬友次男の勝也が出馬する。
和田家は札幌市と合併前、旧手稲町に属していた西区西野にルーツを持つ。だが陣営は「地縁が深かったのは何十年も前。ゼロからのスタートだ」と話し気を引き締める。武市のほか、今期で引退する手稲区道議・角谷隆司の支援も受ける。
自民現職(2期)の松井隆文も、手稲町時代から続く地元名士の家柄。長らく武市1人だった同区で、2人目の候補として15年市議選に出馬。当選を果たした。
地元自民関係者は「19年市議選は松井・武市の2人で約2万6000票とそれぞれ伸ばしたが、実績を重ねてきた武市の票が新人の和田勝也にすべて回るとは思えない。松井も市議会自民会派で重要ポストを得るべく、トップ当選を狙っている。すんなり2人当選とはいかない」と警戒する。
立憲は現職7期の小野正美に加え、前回次点の元職・福士勝に公認を出した。
福士は8回当選、旧民主党会派では2人しかいない市議会議長も務めた大ベテランだ。
立憲の地元関係者は「福士が『負けたまま終われない』と無所属での出馬も辞さない姿勢だったと聞く。新人を出して共倒れするよりは、と立憲側も腹をくくった」と明かす。
ただ「小野はトップ当選にこだわりがある。地域回りも入念にやっている」と別の立憲関係者が話す通り、票割りをして「2人当選」という空気は感じられない。
得票の安定している公明・福田浩太郞に加えて自民、立憲の票が現職に片寄った場合、残り2議席を巡り、共産・佐々木明美を加えた3人での争いが濃厚だ。
地元政界関係者は「札幌五輪招致撤回を公約にする『さっぽろ市民の会』の保志敦が誰の票を食うのか。同じ招致反対の佐々木なのか、支持層に反対が多い小野や福士なのかがカギを握る」と予測している。