ダイワ工業
雪下ろし不要の量産型、ガレージの商品化も進行中
鉄製のアイアンガレージメーカー「ダイワ工業」は、変形地や狭小地にも対応した一点物のガレージを数多く製造してきた。ユーザーへの直接販売は行っておらず、道内のハウスメーカーや工務店が販売先だ。住宅メーカーからの信頼は厚く、色味やデザインといった意匠性を追求するユーザーをはじめ、ガレージの高さなどにこだわる施主には同社の製品を提案するケースが多い。
カーポートや物置などを含め、年間販売数は1800棟以上。近年はブラックやブラウンなどシックな色調のガレージや物置が特に売れているという。
荘司光哉社長は「従来のグレーのガレージや物置では満足できないユーザーが増えています。また、車をとめる、物をしまう場所としてだけではなく、ガレージを作業場として使用したり、大切な趣味の道具を保管するなど、用途も多様化しています。ガレージで過ごす時間が増え、結露防止や機密性の追求など、メーカーとしてニーズの変化に応えていきたい」と語る。
またオリジナルアイアン家具ブランド「ando・・・・」も展開。これまで培った鉄加工技術を生かして2020年に鉄製家具の製作を事業化したもので、本社を構える美唄市のふるさと納税返礼品にも採択されている。
鉄と木材を組み合わせてデザインしたテーブルやイスなどは、アイアンガレージとの相性も抜群。今や定番となったインテリアコーディネートの1つである「インダストリアル」との親和性も高い。住宅や事務所用に購入されることも多く、全国から注文が寄せられている。
一方、冬期間の積雪による雪下ろしの解消に向けた技術開発は2年目を迎えている。昨年から今年にかけて行ったモニタリング調査では、ワンシーズン雪を下ろさなかった場合、ガレージの柱の新設や鉄板の剛性強化、溶接方法の改善が必要であることが判明。これを踏まえて現在、新たな試作品を本社敷地内に建築中だ。
「高齢者にとってガレージの雪下ろしは耐えがたい重労働です。また、転落事故も少なくありません。コストをかければ無落雪仕様の特注品は容易につくれますが、廉価な量産品として雪下ろし不要のガレージやカーポートを供給したい。2年後の発売が目標です」と荘司社長は語る。