【無料公開・速報】なぜ今の時期に…宗門脱退のカウントダウン?札幌大谷学園が“連合会”を離脱
札幌市内で幼稚園・中高・大学と5つの学校を運営する「札幌大谷学園」が、道内の浄土真宗大谷派に関係する学校法人でつくる「北海道大谷学園連合会」を離脱した。
札幌大谷学園は約10年前から外部招聘講師らを中心に、各種の学内改革を断行。体罰や不祥事を起こした教員への厳しい対応の過程では大量退職や裁判沙汰が起きた。一方で真宗大谷派から派遣される宗門理事と教員ら現場理事との対立が激化し、紛糾のたびに理事長などの役職者が頻繁に交代する事態となっていた。
とくに昨春、宗門派遣理事が理事長を解任されたとする騒動では、その理事が学校側に訴訟を提起するなど混乱。そうした動きが生徒や父母に伝わってか、受験生や入学生数も低迷し、文科省から財務状況について改善指導が入るなど、道内の宗門や教育関係者の間でその動向が耳目を集めていた。
月刊財界さっぽろ2021年11月号では「行き着く先は宗門を離脱?札幌大谷学園、現場と僧侶の〝10年対立〟」と題し、札幌大谷学園の内部対立を解説。周辺取材から、現場理事らが北海道教区や宗門派遣の理事に対する積年の不満から、将来の宗門離脱を見据えているのでは、とする見方があることを報じた。
ある宗門寺院の住職は「北海道教区から『北海道連合会を離脱した』旨の連絡がハガキできょう(10月21日)届いた。教区は役員の改選を間近に控えており、札幌大谷学園側に対して宗門派遣理事からこのところ、何か指示をしたり軋轢が生まれるような注文をつけたりはしていないと聞いている。だからこの時期の離脱は『なぜ今なのか』という思いだ。あくまで北海道連合会の離脱であり、大谷派関係学校全体の連合会は離脱していないという。もし宗門離脱となれば、宗門から貸し付けている借金だって返済されなければならないし、夏の高校野球に野球部が出場した際は寄付金も結構な額を集めて渡している。学校側としてはまだ真宗大谷派、親鸞聖人のご威光は必要なのだろう」と推測する。
これに先立ち、10月7日付けで理事長兼学校本部長の加藤久豊氏が交代。21年3月末で退任していた前中学校・高校校長の種市政己氏が理事長として学園の表舞台に復帰した。
これまでの本誌の取材によれば、種市氏も宗門理事との対立の中で一度退任せざるを得なかったと言われている。一方、加藤氏は退任のタイミングではなかった。抗争は相変わらず続いていると見られるため、詳細が分かり次第本サイトならびに月刊財界さっぽろにて報じていく。
前出の「行き着く先は宗門を離脱?札幌大谷学園、現場と僧侶の〝10年対立〟」も財さつJPにて特別公開しているので、こちらも合わせてご覧ください。