渡邉 正一氏【ワタナベグループ会長】

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(わたなべ・しょういち)1947年札幌市生まれ。札幌東高校、早稲田大学卒。70年渡辺食品機械入社。74年常務、89年社長に就任。現在はグループ7社のうちナベビルの社長を務める。

多業種でシナジー効果。新たな時代へ盤石の体制

 長引くコロナ禍の影響が心配されたが、プラス・マイナスほぼ半々の業績を維持。ポストコロナの方向性が見え始めた。
 ススキノ中心の業務用酒類販売は厳しい面が残るものの、冷凍・冷蔵機部門は好調なスーパーなどでの設備投資により過去最高売上高を計上。一般小売向けの酒類、食品、不動産部門も伸びを見せた。
「コロナ対策を過剰に意識することなく、流れに逆らわずに手慣れた分野にポイントを置いたことが影響を最小限に止めた」
 かねて強みとしているグループ7社間のシナジーが全体を支え、バブル期など過去の経済危機を乗り切った経験も、先を見通す独特の〝読み〟となって事業を推進。少なからぬ役割を果たした。
 19年に子息2人の新社長に事業承継してトップ体制を整えていたことも、不測の事態への盤石の布石となった。

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