先端技術を活用した警備システムを発売

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バーチャル警備員が受付業務を担当。防災センターでモニタリングをする

 国内セキュリティ業界トップのセコム(本社・東京都渋谷区、尾関一郎社長)が、AIや5Gなどの最先端技術を活用した警備システムや商品を発売した。労働人口が減少するなかで、持続可能な社会への貢献も目指す。

 2022年1月13日に販売を開始したのが、世界初の「バーチャル警備システム」だ。AIを活用して常駐警備サービスを提供する最新セキュリティシステムで、現実空間を映しこむディスプレイ一体型ミラーを活用して、施設の入口で警戒監視や受付業務をおこなう。
 労働力人口が減少するなかで日本が持続的な経済成長を果たしていくには、多様な業務を少人数で効率的に行うことが不可欠とされる。同社では、警備分野においても先端技術を活用した省人化システムの需要が高まると判断し、世界に先駆けて販売を開始したもの。
 具体的な仕組みは、ディスプレイ一体型ミラー上に3Dモデルとしてバーチャルキャラクターの「バーチャル警備員」を表示。来訪者が話しかけるとAIが音声認識して、設定した対話シナリオに沿って自律的に受付業務を行う。
 バーチャル警備員からの映像や音声、通報は、インターネット回線で施設内の防災センターのモニタリングダッシュボード(監視アプリ)に届く仕組み。緊急対応などは常駐警備員が対応するが、通常業務は人員配置の効率化でコストを削減が可能となり、警備の強化も図ることができる。
 バーチャル警備員は、男性と女性の2キャラクターを使い分けることができるなど、自然で親しみやすい工夫も施されている。
 一方、1月17日に発売されたのがセキュリティロボット「cocobo(ココボ)」だ。AIや5Gを活用して、商業施設やオフィスビルなど、さまざまな場所で巡回や点検業務などの警備業務をおこなう。
 具体的には「バーチャル警備システム」などのセキュリティシステムや建物の監視カメラ映像、エレベーターや電気錠などの設備情報、施設や地域の情報といったクラウド上の情報をフル活用。常駐警備員と連携しながら、平時および有事の安全確保から有用・快適情報の提供といった、幅広い業務の効率化と品質向上を実現する。
 点検業務時には常駐警備員の代わりに巡回ルートを自律走行し、搭載したカメラで映像をリアルタイムでAI解析。残留者や転倒者、放置物なども検知し、不審者を発見した場合は、音声やライトで警告したり、煙を用いて威嚇する。アームを装着することもでき、ベンチの下、自動販売機の奥側や底面など、人では確認が難しい場所も点検することができるのが特徴だ。詳細は、セコム北海道本部☎011・241・0024まで。

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巡回ルートを自立走行し、異常を検知する「cocobo(ココボ)」

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