【優秀な人材を確保・育成にも尽力】創業70年目前の瀧澤建設 道内出身者が多く活躍
1956年創業の「瀧澤建設」は、関東を中心に、河川工事やアスファルト舗装工事などを手掛ける。東京都日野市に本社を構え、関東での事業展開がメーンだが、道内出身者を数多く採用し事業発展の原動力となっているという。今回は、注目を集めている同社の瀧澤博幸会長と矢野信也社長に話を聞いた。
社員の約20%が北海道の出身者
――事業内容について教えてください。
瀧澤 : 河川工事や橋梁工事、下水道工事などの土木工事、アスファルト舗装工事などを中心に幅広く展開しています。売り上げは年間40から50億円規模。新型コロナの影響もあり単年での変化はありますが、右肩上がり基調を続けています。
矢野 : 北海道のみなさんにはあまり知られていないかもしれませんが、東京多摩地区の舗装工事業ランキングでは22年度も1位にランクインしています。
また、東京都建設局長賞を連続受賞しており、今年度は2つの局長賞を受賞しました。
――瀧澤会長は北海道出身と伺いました。
瀧澤 : 室蘭市の出身で、1971年の北海道産業大学卒業後に上京しました。その後関東のゼネコンに就職し、1992年に「瀧澤建設」を設立しました。起業したのは、インフラ整備という事業性に加えて、自分で会社を持った方が直接的な社会貢献ができるという思いがあったからです。
――具体的な社会貢献活動を教えてください。
瀧澤 : あしなが育英会や、地元日野市の福祉団体10数社に寄付するなどの活動をしています。東日本大震災の際には、社員20人を連れて5つのテントを張ってボランティア活動を行いました。こうした経験は社員の育成にもいい影響を与えていると感じています。
――道内出身者の人材採用にも力を入れていると聞きました。
瀧澤 : 20年くらい前から、苫小牧工業高校や函館工業高校などの卒業生を数多く受け入れています。
矢野 : 社員は約100人ですが、そのうち20%程度が北海道出身者です。
――道内出身者の採用に力を入れている理由を教えてください。
瀧澤 : 道産子はやはり粘り強さがあります。仕事ですから辛いこともありますが、みんな乗り越えてくれるので頼もしいですね。
3年前には道内の女性社員も入社しており、一生懸命働いてくれていますね。今では、現場を任せられる道内出身者も多く活躍しており、事業発展には欠かせない存在です。
新社屋を拠点にさらなる拡大を
――入社した後の研修などについて教えてください。
瀧澤 : 入社後1カ月は基礎的なマナー講座から始まり、測量実習や施工管理実習など実践に即した内容の研修に移っていきます。現場に配置したあとは、施工管理などの仕事に就いてもらうのが通常です。
矢野 : その後、3年を目処に自立していきます。現場ではチームを組むことが多いので、チームのトップである現場代理人などが当面の目標になります。個人差はありますが、当社では30代前半で課長や部長職に就いている人材もおり、もちろん道内出身者も多いです。
――待遇面について教えてください。
瀧澤 : 弊社は個室が完備した寮を所有しており、親御さんにも喜ばれております。家電などの生活必需品が揃い、月額5000円。食事は別になりますが、若い社員にとって憩いの場となるよう心がけています。
――どのような人材を求めていますか。
瀧澤 : 仕事をするには〝心〟が大切です。仕事を一生懸命やる、世の中の役に立つ、という気持ちがあれば、誰でも成長していける職場だと思います。
特に、道産子はこうした要素に秀でていると実感しています。
矢野 : それぞれの現場ではチームを組んで業務にあたります。そのため人の気持ちに寄り添えること、相手の気持ちを理解できることが大切だと思っています。
――今後の展望について教えてください。
瀧澤 : 8月末に新社屋が完成し、9月1日から稼働しています。本社機能はもちろんですが、障がい者が勤務できるようにバリアフリーにしたり、屋上にソーラーパネルを設置して自社で使う電気を賄う仕組みです。
また、災害が発生した際には、避難所として開放する協定を東京都日野市と締結しています。このように社屋自体が社会に貢献できる仕組みで、企業価値の向上や社員の意識向上にも役立てたいと考えています。
事業としては、現在貸ビルなどの不動産事業も行っており、今後はさらに拡大していく予定です。
矢野 : 弊社にはグループ企業が3社あります。さらに事業を拡大するためには、グループ企業同士の相乗効果が欠かせません。
瀧澤 : そのためにも優秀な人材を採用し、グループ企業を任せられるよう育成していく仕組みも作っていきたいですね。それが創業70年、その先の100周年に続いていくと考えています。〝永続企業〟として社会から必要とされる企業であり続けたいです。
取材協力/瀧澤建設 東京都日野市新町4丁目26‐11 ☎︎042・585・0203http://www.takizawa-grp.co.jp/