「なごみの杜」が妹背牛町で障がい者支援に成果
2021年7月、なごみの杜(本社・江別市、岩城範明社長)が妹背牛町に障がい者向けグループホーム「夢の杜」を開設した。あれから1年、このグループホームができたことで、同町ではさまざまなシナジー効果が生まれている。
かねてより、妹背牛町には就労継続支援B型事業所「アグリーン妹背牛」が設置されており、北空知の障がい者が数多く就労支援を受けていた。一方で同町には障がい者向けの居住施設がなく、近隣地域からの通いを余儀なくされていた。そこで町は障がい者定住の仕組みづくりのため、居住施設の設置を検討。白羽の矢が立ったのが、同時期にグループホームの開設を申請していた「なごみの杜」だった。
同社は有料老人ホーム運営や施設の紹介、生前・遺品整理などの高齢者向けサービスを提供する福祉サービス事業者で、障がい福祉事業参入への第一歩として、同町にてグループホームの開設を計画していた。
「アグリーン妹背牛で就労支援を受ける障がい者定住のため、居住施設の設置は必要だと感じていました。なごみの杜さんからの開設申請はまさに渡りに船。岩城社長には妹背牛町を盛り上げたいという情熱もあり、開設に賛成しました」と田中一典妹背牛町長。
現在は、「夢の杜」で生活する障がい者が「アグリーン妹背牛」で就労支援を受けるという理想的なサイクルが定着。近隣地域から、働きたい意欲を持つ障がい者の入居も増加中だ。町内外から数多くの入浴客が訪れる「妹背牛温泉ぺぺル」への施設外就労も実施するなど、障がい者が働く場も広がっている。
「労働人口減少に伴い、なごみの杜さんとの連携が働き手の創出、ひいては地域活性化にもつながるのではと期待しています。民間企業や地域住民と一層の連携を図り、働きたい人への支援に力を注ぐことで楽しく明るい町づくりをしていきたい」と田中町長は語る。
同社は、障がい者活躍の機会創出のため、地域イベントへの参加にも意欲的だ。しかし、コロナ禍の影響でイベントがことごとく中止となり、参加する機会に恵まれなかった。今年は2年ぶりに地域イベントが開催される予定となっており、同社でも積極的に参加する方針だ。今後は「夢の杜」で就労支援を手掛ける計画もある。
岩城社長は「妹背牛町を盛り上げるために、採算は度外視して手を尽くしています。障がい者の方々が活躍できる環境をつくるためには、地域の方々の理解も必要。そのため、夢の杜の周知に力を注ぎ、取り組みを知ってもらいたい。いきいきとしたまちづくりの一助となれれば」と語る。