ヒトデ由来のマリン・サポニンで〝さらばカラス〟

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カラスが寄ってこないホルダー

 デサント(本社・大阪市、小関秀一社長)が北海道バイオセクター(本社・札幌市、三國康二社長)との協力で「カラスの苦手な光を発光するトリ型ホルダー」を発売中だ。

 不思議だが、確かに効果はある――。利用者の驚嘆の声に後押しされ、用途を広げているのが、北海道バイオセクターのマリン・サポニンを原料とした鳥類忌避塗料だ。
 原料はヒトデ。ホタテ漁などで混獲される、この嫌われ者から抽出・発酵した発光エキスが優れものなのだという。でも、なぜカラスなどに忌避効果があるのか。同社によると、次の2点が考えられるという。
 ①サポニンはステロイド配糖体という水に溶けてせっけんと同様の発泡作用を出す物質の総称。このサポニンをカラスや猛禽類が生理的に嫌がる可能性がある。
 ②ヒトデのサポニンは紫外線に反応して発光する。人間は赤・緑・青の3色しか見えない。しかし、虫や鳥は紫外線をも見ることができ、全く別世界の色彩を感じている。ヒトデ由来のマリン・サポニンによる発光は、カラスや猛禽に視界情報を崩す〝恐怖〟として認識されている。
 こうしたことから北海道環境バイオセクターの鳥類忌避塗料「バードコレンジャー」やカラスよけテープ・ステッカー「SARABAカラスくん」は、空港施設や札幌時計台などの文化財、またゴミ置き場などへと用途が広がっている。
 これに目をつけたのが、デサント。ゴルフバッグやトートバッグにつける「カラスの苦手な光を発光するトリ型ホルダー」(メーカー小売価格税別2600円)を発売した。

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