宏陽【業種別景況と企業動向】
M&A、土地取得、採用…経営資源の拡充を進める
道路改修に伴う仮設ガードレール工事で道内トップシェア。2021年に完成した新東名高速道路の6車線化事業にも参画するなど、道内外で存在感を示している。
「20周年を迎えた今期の業績は、資材の高騰などの影響で少し厳しくなると予想していますが、来年は高速道路のリニューアル工事や北海道新幹線の工事が控えています」と西川秋仁社長。
今年は今後を見据えた〝種まき〟活動に徹している。3月には公共工事を主体とするミナト工業(本社・石狩市)を傘下に収め、グループ会社は3社となった。さらに、年内に2~3社のM&Aも予定している。
一方、6月には南幌町の晩翠工業団地内の資材センターの隣地約6000坪を取得。資材センターを含めて1万1500坪という広さを生かし、工場や自家消費型の発電所の新設を計画している。
21年に開設した金沢支店(石川県)は、25年に開催予定の「大阪・関西万博」を見据えた出店でもある。
「東京オリンピックでは、当社が開発したセキュリティーフェンスが各会場に採用されました。この実績をもとに万博に提案していきたい」と西川社長。
人への投資も加速させている。今春は大学新卒者を含めて7人が入社。そのうち6人は同社がメインスポンサーの社会人野球クラブチーム「札幌ホーネッツ」の選手だ。スポーツを通じての地域振興にも力を入れている。
また、性別や年齢を問わず、誰もが活躍できる会社を目指す同社では、女性の現場管理者や営業職を起用する方針だ。さらに定年制を設けず、現役時代と同等額の収入を維持し、次世代への技術の伝承も図っていく。
「5年後・10年後を見据え、ソフト・ハードの両面で経営資源を充実させていきます」と西川社長。
●所在地/札幌市東区東苗穂6条1丁目17番33号☎︎011・214・9850●代表取締役/西川秋仁●設立/2002年●事業内容/フェンス・ガードレールの販売・ 施工、太陽光に関する工事・設計など●http://www.kouyo-co.jp/