【特集】自分のため、大切な人のための終活
終活は自分のためだけではなく、家族など大切な人が困らないようにするために行うもの。また、子世代にとっては親の最後の希望をかなえる準備といえる。専門家と相談しながら、早めの準備を心掛けたい。
自分だけでなく家族のメリットもある
近年は〝今後の人生をいきいきと暮らすため〟というポジティブな考えで終活を進める人が増えている。お金とモノの整理や万一に備えた準備によって、将来への不安が解消できる。また、人生のまとめとして自身の気持ちの整理をすることで、今後の人生を明るく過ごすことにもつながる。
さらに、遺される家族の負担軽減やトラブル防止というメリットもある。
しかし、準備すべきことが膨大で「何から手をつけていいかわからない」「必要な時がきたらやればいい」などの理由で先延ばしにしてしまう人も多い。
一方で、子世代も両親や義父母に終活を始めてほしいと考えているものの、デリケートな問題のため、「親の希望をかなえたいが、終活についてどう切り出していいかわからない」という悩みを抱える。
大切な人のためにも早めに準備しよう
終活を放置したり充分に行わなかったことで、トラブルが起こるケースは少なくない。例えば、生前作成した遺言書の不備のため法的拘束力が認められずに、結局家族間で揉めごとに発展してしまったという事例もある。このほか、遺産相続や相続登記にかかわる問題や葬儀の方法についての主張の食い違い、資金負担の割合などトラブルの種は尽きない。
また、医療や介護に関する意思表示や供養・葬儀に関する情報収集、遺産相続や遺言書の作成、成年後見制度の検討などは、判断力や体力を必要とする。遺影写真の撮影や家族との思い出作りも、元気なうちに計画を立ておくのがいいだろう。
終活にかかわる手続きや仕組みは複雑なものが多く、費用や時間もかかるため、納得のいく選択をするのは思った以上に難しい。いざというときに大切な人が困らないよう、専門家に相談しながら準備するのが安心だ。
本特集では、終活にかかわる手続きを得意とする士業や、相談に乗ってくれる葬儀関連業者や墓、納骨堂など、心強い専門家を紹介する。自分のためだけではなく大切な人のためにも終活の第一歩にしてほしい。