この先も価格は下がらない⁉︎ 世代別に検証 住まいを買う・直すタイミング

 住宅の購入やリフォームのタイミングは、年代、家族構成、ライフイベント、老後など、多岐にわたる。自身にとって的確なタイミングを把握することは必須だ。そうした中、地価と資材高騰が続いていると言われるが、買い時とリフォームのタイミングはまさに今である。

一次取得は30~40代、二次取得は50代以降

 子育て世代をはじめ、夫婦のみの世帯、単身世帯、シニア世帯など、年代や家族構成によって住まいのあり方は多様化している。さまざまなニーズに合わせ、住宅を買う・直すタイミングはいつなのか。データから検証してみた。
 ここでは「令和2年度住宅市場動向調査報告書」を参考に、新築・中古問わず初めての住宅取得を「一次取得」、2回目以上の取得を「二次取得」としている。
 世帯主の年齢を一次取得・二次取得別にみると、一次取得では中古戸建住宅と中古マンション以外で30代が最も多い。これは20代と比較すると仕事や収入が安定してくる時期であるほか、住宅ローンの審査に通りやすいことが推測できる。
 30代に次いで多いのが40代だ。一般的に40代は、結婚や子どもの誕生といった家族構成の変化が少ないほか、40代後半になると子どもの独立なども考えられる。そのため、自身の老後を視野に入れて住宅を選ぶというケースも多いだろう。
 一方、二次取得はどうか。分譲戸建住宅以外は、どの項目も50代以降が6割以上を占めている。これは子どもの独立、定年退職といったライフイベントを経て、老後に備えた「終の棲家」として、住み替えを行っていると推測される。
 リフォームにおいても50代以上が半数以上を占めているのは、住み替えと同様の理由と考えられる。

価格が上昇する中、低金利は継続

 このように住宅購入とリフォームのタイミングは、ライフスタイルの変化や老後を見据えた要因などが大きく影響される。
 一方、これらのタイミングを認識していても、近年の住宅価格の上昇を背景に「価格が下がるまで待つ」といったケースが多い。
 住宅価格上昇の主な要因は地価と資材高騰である。2021年の札幌市内の住宅地の平均地価は、8万2500円(1平方㍍当たり)。08年から約1.23倍となっている。
 また、資材高騰は「ウッドショック」と呼ばれ、海外資材の輸入減が大きな要因だ。世界的な潮流を国内産の木材で補うことは困難といえるだろう。
 こうした住宅価格を押し上げる要因がある一方、住宅ローンは低金利が続いている。自身の現在の状況が住宅購入・リフォームのタイミングと合致するのであれば、金利が上がる前、さらなる資材高騰が見込まれる前に動き出すべきだ。
 そこで本特集では、本誌が厳選した大手ハウスメーカー、デベロッパー、工務店、リフォーム、エクステリアなど、住宅に関連した企業を紹介する。理想の住まいを手に入れたい人は、参考にしてほしい。