【働き方、働く場所は選ぶ時代】知りたいのは企業の「入社後」
ワークライフバランスや仕事のやりがいを重視する就活生は多い。また、在宅勤務やオンライン営業など、働き方や働く場所の選択肢も増えている。本特集では、各企業の取り組みや、入社後のキャリアビジョンにフォーカスした。就活サイトだけではわからない各企業の情報を収集してほしい。
SNSの活用など就職活動も多様化
我が子が就職活動に悩んでいれば、親として手助けをしたくなるのは当然だ。しかし、自分自身の就職活動の経験をベースにアドバイスを送り、それがきっかけに親子がもめることは避けたい。近年の就職活動は以前と大きく変わっているため、まずは現状を理解することが大切だ。
例えば、バブル期に2・41倍(1992年)だった大卒求人倍率は、2020年に1・83倍まで下がっている。また、定着率に目を向けると、大卒者の入社後3年以内の離職率は30%超が続いている。これは、バブル崩壊後に即戦力を求める企業と、就職氷河期に直面し、入社がゴールになっていた学生とのミスマッチが主な原因だと言われている。離職率は2004年には36・6%に達し、依然高止まりは続いている。その後、企業や学校の取り組みによって改善の兆候も見えている。
若者を称する言葉は時代とともに変化するが、現代のトレンドは「Z世代」。Youtubeやツイッター、インスタグラムなどを使いこなすデジタルネイティブと呼ばれる世代だ。採用活動も変化し、SNSによるエントリーシートの受け付けを開始した企業があるほか、自己PR動画の提出を求める企業も出てきた。求職者は、SNSで就活情報の意見交換を頻繁に行っている。
入社後を知ることは、ミスマッチを防ぐこと
ワークライフバランスや仕事のやりがいを重視する傾向が強いのもこの世代の特徴だ。親としては「入社後にどこで、どのように、どのような仕事をするのか」など、事前に企業を把握するようにアドバイスをすると良いだろう。情報を知っておくことで、入社後のミスマッチ防止にも繋がるはず。目の前の教育体制だけではなく、就職してからの5年先、10年先のキャリアビジョンを知ることは大切だ。
また、コロナ禍では在宅勤務やリモート会議、オンライン営業が推進され、サテライトオフィスの設置、レンタルオフィスの活用など、働き方や働く場所の選択肢も増えている。企業の「入社後」を知っておくことは、自らの将来像を描くためにも重要な要素ではないだろうか。
そこで本特集では、企業の事業内容はもちろん、入社後のキャリアビジョンを含めた取り組みにフォーカスした。新入社員が従事する業務、教育体制からキャリアアップシステムまで幅広く紹介しているため、入社後のステップアップしていく姿を想像できるはずだ。ぜひ我が子の就職活動の一助にしてほしい。