【補助金・制度をうまく活用】買うも直すも制度把握でメリット大

 人生でもっとも高い買い物ともいわれるマイホーム。補助金や制度をより詳しく知ることで、大きなメリットを受けることができる。今回は、これから新築やリフォームをする際に活用できる補助金と制度について解説する。

改正で減税幅縮小も控除期間が延長

 国は住宅取得に関する、税制改正や、補助金制度を設けている。2021年12月には、政府が税制改正大綱を発表。22年1月1日以降に住宅を取得した場合などに、税金が安くなる改正が行われた。これを具体的に見ていきたい。
 元来、住宅ローンを組んでマイホームを新築したり、増改築をした場合に所得税などを減免する住宅ローン控除が受けられる。「住宅ローン減税」ともいわれるが、年間所得から住宅ローン残高に合わせて一定額が控除される仕組みだ。
 これまで、控除率は住宅ローン残高の1%だったが、22年からは0・7%に縮小した。しかし、控除期間が10年から13年に延長されたため、長期的に見ると控除額の総額は改正前と比べて大差はない。
 24年1月1日以降には借入限度額や最大控除額の縮小が控えており、今後も制度の〝改悪〟が続くこともあり得る。控除の恩恵を受けられる内に、住宅購入や増改築を検討しておきたい。

補助制度の活用で最大支給額150万円も

 新築住宅に活用することができる代表的な補助制度は5つ。
 1つ目が「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業」だ。これは、エネルギー消費がゼロのZEH新築時に活用できる補助金。ZEHビルダー・プランナーとして登録されている工務店などに建築を依頼することで、55万円〜112万円の補助金が支給される。
 2つ目は「地域型住宅グリーン化事業」。木造のZEH住宅や認定長期優良住宅を新築する際に活用できる補助金制度だ。最大90万円から150万円の補助金が支給されるが、登録事業者である地域の工務店などに依頼することが条件となっている。
 3つ目の「こどもみらい住宅支援事業」は、子育て世帯などが省エネ性能の高い住宅を購入する場合に活用できる補助金制度。支給額は最大80万円から100万円となっている。新築のほか、リフォーム費用も対象。登録しているハウスメーカーやリフォーム事業者を通じて申請を行う仕組みだ。
 さらに4つ目として「LCCM住宅整備推進事業」も代表的な補助金制度として挙げられる。設計費などに対して最大140万円が支給される補助金制度で、建築時や運用時、廃棄時にも省CO2に取り組む脱炭素住宅であるLCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅を建てることが条件となる。
 また、一定の条件をクリアし、長期優良住宅に認定された場合にメリットがあるのが5つ目「長期優良住宅認定制度」だ。新築の場合は所得税などが減税され、リフォームの場合は最大250万円の補助金が支給される。こうした長期優良住宅などを建てる際には、住宅金融支援機構の「フラット35」などの長期固定金利型ローンを利用する場合は、金利が低い「フラット35S」を利用することもできる。
 それぞれの補助制度については、管轄する各行政庁のHPなどで確認してほしい。