【病気を知り、ドクターを知り、病院を知る】健康長寿の一歩は情報収集から
健康長寿のためには、病気のことはもちろん、病院や医師についても情報を適切に知っている必要がある。そこで本誌では医師や病院を厳選。得意とする疾患や術式などを中心に紹介する。
病気やケガする前に情報収集をしておく
医療技術の発達や食生活の改善などによって、100歳まで生きるのが珍しくない時代が到来している。
2000年にはWHO(世界保健機関)が健康寿命という概念を導入。単に長生きするだけではなく「いかに健康的に長生きするのか」も重要視されるようになっており、世界的に健康長寿にスポットが当てられるようになった。
逆にいえばすべての人が健康で長生きしている訳ではない。特に「若い頃からずっと健康」「健康診断で異常がない」という人ほど早期受診や定期的な健康診断を怠る傾向が強く、中高年になると生活の質が低下し、長生きをしても病気との共存を余儀なくされている。
健康で老後を過ごすためには面倒がらず事前に医師や病院をよく調べておくことが欠かせない。病気やケガをした時に迅速に通院することはもちろん、予防的観点からかかりつけ医を作っておけば、定期的に病院に通うことができるからだ。
幸いにもパソコンやスマートフォンが目の前にあるので、いつでも自分の健康状態に合った医師や病院を探し出すことができる。ただインターネット上の情報は玉石混交なので、検索する際には注意が必要だ。
誤った知識や情報で通院が遅れるケースも
中でも16年に発生した「WELQ(ウェルク)」騒動は記憶に新しい。上場企業「ディー・エヌ・エー」が運営する医療健康系情報サイトで不正確な記事や登用などがあった問題だ。命に関わるものも存在したためサイトは閉鎖され、当時の役員らが謝罪に追い込まれた。
これは、大袈裟な見出しや品質の低い記事でも量産すればアクセス数を稼げるというウェブメディアの構造に起因するものだが、いまもコロナ禍を背景にワクチンに関するデマや疑似科学に基づいたニセの医療法が飛び交っている。
こうした情報に騙されないためには記事の出展元や執筆者を確認する必要がある。各医療機関のホームページや医師が実名で掲載しているブログは信頼度が高いといえる。
ただ、膨大な数の医療機関から自分に合った1人の医師を探し出すのは難しい。ブログは医療用語ばかりで読みにくいケースもある。
そこで本誌では独自の基準で道内の医師や病院を厳選して紹介する。記者が客観的な視点から取材しているので、通院の参考にしてほしい。