【無料公開】赤い羽根共同募金、疑惑の事務局長がかつて本誌に語った「不正は一度もありません」

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記者会見では、北海道共同募金会会長(中央)らが謝罪※A氏はこの中に含まれません

「ご連絡いただき本当にありがとうございます。多くの方に本会のことを正しく知っていただきたく、良い機会になります」
 2023年12月、記者が北海道共同募金会を訪れると、事務局長A氏は笑顔で応対した。要領よく説明する様子は、取材慣れと人当たりの良さを感じさせていた。

 26年6月、「赤い羽根共同募金運動」などを運営する北海道共同募金会は、約1億8000万円の使途不明金があったと公表した。会計責任者を務めていたA氏による横領の疑いがある。

 A氏は、1991年に新卒で募金会に就職し、2010年に事務局次長に就任。その頃から会計業務を1人で担当するようになった。22年には事務局長に昇任した。

 顧問弁護士によると、A氏は自らが管理する口座に募金会から送金するなどの不正経理を、2020年頃から繰り返していたとみられている。

 被害額が確定した時点で、刑事告訴やA氏の懲戒処分が行われる予定だ。

 募金会の常務理事によると、A氏は「(職員に対し)申し訳ないことをした。いずれきちんとおわびをしたい」と語っているという。

 また、常務理事は「A氏には長年の業務知識と人脈があり、周囲からの信頼も厚かった。彼に対して、今はマグマのような怒りと、長年ともにやってきた月日への悲しみがある」とした。

 財界さっぽろ24年2月号では、A氏に取材を実施。当時、赤い羽根共同募金に関する〝言いがかり〟について言及していた。

 過去の本誌記事を無料公開する。(記事内の北海道共同募金会担当者がA氏にあたる)

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道内は全国6位(6億7000万円) 赤い羽根共同募金 〝言いがかり〟に全て答えます

「赤い羽根にご協力お願いします」。街頭で行われる募金活動に協力したことがある人は多いだろう。しかし、寄付総額は年々減少の一途をたどる。運営する北海道共同募金会では、さまざまな誤解を受けることも多いという。

目標額設定に〝寄付強要〟と非難

 23年11月、日本海テレビ(鳥取)の幹部による「24時間テレビ」募金着服が話題を呼んだ。

「大ショックです。私たちも不正をやっているように勘違いされてしまうので」 

 声の主は、道内で「赤い羽根共同募金運動」を運営する、北海道共同募金会の担当者だ(以下、かっこ内同じ)。
 赤い羽根事業を実施しているのは、各都道府県の共同募金会。他の募金活動との大きな違いは、法律に明記されていることだ。
 社会福祉法では共同募金について「都道府県の区域を単位として、毎年1回、厚生労働大臣の定める期間内に限ってあまねく行う寄付金の募集」と規定する。

 運動が行われるのは、毎年10月1日から翌年3月31日までの6カ月間。12月には「歳末たすけあい募金」も合わせて実施される。

 今年度で77回目となるが、意外に内実は知られていない。募金を巡るスキャンダルが世に出る度、とばっちりを受ける。

〝赤い羽根〟は世界的に勇気や良い行いの印として知られていることからシンボルマークとなった。

 寄付金は市町村と道で分けられる。たとえば、札幌市に500円を募金すると、約350円は市内の福祉活動、残り約150円は道の広域な活動に使われる仕組みだ。

 2022年の北海道の募金実績額は約6億6831万円で全国6位。

 特徴は、幅広い福祉活動に使えることだ。寄付金の一部は災害等準備金として積み立てられ、有事の際には被災地域への支援金となる。この度の能登半島地震にも、北海道共同募金会は支援準備を進める。

 しかし、赤い羽根の寄付額は全国的に右肩下がりだ。震災の義援金など、目的がはっきりした活動には支援が集まりやすい。赤い羽根は活動が幅広い故に苦戦するという側面もある。

〝誤解〟や〝言いがかり〟を受けることも多い。その一つが、寄付の目標額について。共同募金は、地域のニーズを受けてから行う計画募金のため、目標額を定めることが必要だ。目標額は、都道府県単位と市町村単位の2種類。市町村ではこんなことが起こる。

「各世帯や街頭、学校などにおいて、目標達成のための〝目安額〟が生まれます。これを見て〝寄付を強要されている〟と感じる方も多いようです。しかし、あくまで目安。無理にお願いするものではありません」   

 道では、寄付目標額に対する達成率は81.8%。全国40位にとどまる。
「道内では、町村数が多いことから、車いすを乗せられる福祉車両の需要が高い。1台400万円以上かかりますが、22年度は助成の申請が100台くらいあったのに対し、実際に助成できたのは十数台でした」

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不正ゼロ、天下りもゼロ、会計決算や事業報告書は公表

 不正を疑う世間の声に対しては、こう答える。

「当たり前ですが、北海道共同募金会として不正は一度もありません。ただ、残念ながら過去に連携していた社会福祉協議会で不正が見つかったことはあります」

 こんな事例もある。昨年1月、中央共同募金会が助成を行った団体が不適切であると騒動が起きた。
「中央共同募金会は、各都道府県共同募金会と厚生労働省の窓口になる組織。不適切だと話題になったのはこの会独自の『赤い羽根福祉基金』による助成であり、都道府県の共同募金とは別物。北海道共同募金会への寄付は、道の福祉活動に適切に使われています」

 その他にも「寄付金が海外へ流出しているのでは」などのうわさは絶えない。

「募金の使い道や会計決算、事業報告書などは全部公表しています。また、職員に天下りはひとりもいません。法律では、行政が寄付金の使い方に関与できないとされています。事実無根です」

 苦境が重なる赤い羽根だが、明るい兆しもある。道内ではプロスポーツチームや企業、自治体などの協力により制作しているクリアファイルやピンバッジが人気を博す。

「ピンバッジは500円以上の募金協力につき1個進呈しています。市町村ごとにさまざまな種類を制作しており、年度ごとにデザインが異なり、23年度は道内で約140種類あります。全種類ほしいという方も毎年いらっしゃいますよ」

 国内では、寄付文化が育たないとたびたび言われる。寄付のメリットとは何か。

「赤い羽根への募金は税制上の優遇措置があり、SDGs活動にもつながります。何より、志があっても個人ではなかなかできないボランティア活動を実現することができます。たとえば、里親として身寄りのない子どもを引き取ることは難しくても、100円を寄付することならできる。思いを託していただけたら、全道のために活用していきます」

 寄付金受付口座はゆうちょ銀行02770-0-14、口座名義は社会福祉法人北海道共同募金会となっている。

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約140種類のご当地ピンバッジが人気

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