恩師に捧げる貴腐ワイン

 就職半年目のような初々しいオネエサンが、「シャトー・ディケムが欲しいのですが」と来店した。去年の10月、某ワイン・ショップで売り子のバイトをしていた日曜日の午後だった。「こちらへどうぞ」と奥のセラーに案内する。 シャトー・マルゴーやラフィット等の5大シャトーの隣に、輝く黄金色のイケムが並ぶ(シャトーがつくと「シャトー・ディケム」、単発なら「イケム」と呼ぶ)...

(残り1033文字)

こちらもおすすめ

関連キーワード