【期間限定・無料】<file7>トラックめいめい #トラック業界 #女性ドライバー #お酒を楽しむ

投稿を見てくれた人が喜んでくれるのがうれしい

 ――トラック運転手になったきっかけは。

めいめい : 小学生のころから服が好きで、ファッションデザイナーになりたいと思っていたんです。でもそうするには学校に通う必要があって、私の中では現実的ではないなと思って。何も準備をしてこないことに反省もしたんですが、それをきっかけとして「自分にできることは何なんだろう」と考えたんです。それで1人でできる仕事、1人の時間が多い職業なら、ストレスをあまり感じずに働けるのではないかと。
 ネットを使っていろいろ探していった時に、トラック運転手というのが目に留まったんです。これなら、免許さえ取れば自分にもできると。ほかの女の子よりは力にも自信があったのもありますね(笑)

 ――東京で働きたいと思った理由は。

めいめい : 視野を広げたいという思いがあって。勤務先を選ぶ上で重視したのも東京で働けるかということでした。

 ――実際に働いてみて、想像と現実にギャップはありましたか。

めいめい : 正直、最初は結構大変でしたね。ずっとアルバイトはしていたけど、部活動をしていたわけではないし、運動が好きなわけでもなかったので。体重も10キロくらい落ちましたし、真夏の東京の40℃近い気温もあり、生まれて初めて食欲をなくしました(笑)
 でもそれで辞めたいとは思いませんでしたし、大変である以上に楽しいって思う自分もいて。それに1人の時間が多い仕事だ、という目的で選んだ仕事ですが、実際はいろいろな職種の方とチームとしてかかわるし、みなさんとてもよくしていただいて、温かい職場だったのも、想像とは違いましたね。

 ――Xで日常を投稿し始めたきっかけは。

めいめい : コロナ禍を機に仕事が減って収入が落ちてしまったことで、自分の余暇の過ごし方、服を買うとか髪を染めるとか、そういったこともし辛くなって。それで関東の企業に転職しました。すると狙い通り収入は上がり、勤務時間も短くなったんですよね。
 そこで空いた時間の使い方を考えた時に、自分の視野をもっと広げて、自分の中身も成長させていきたいと思って。その中でお金がかからずで挑戦できそうなものがSNSでした。それまではインスタグラムを見るくらいで、投稿したことはなくて。
 当時21歳でしたが、私の投稿を見て元気が出たり、笑ってくれたり、何か明るくなるようなアカウントになればと思って始めました。

 ――2022年3月からXを始めて半年ほど後に、今ではおなじみの「ジョッキを飲むポーズ」がバズりました。

めいめい : ほかの画像に比べて「いいね」の数とかリポストの数が全然違ったんですよね(笑)。私自身、生きる世界が広がったというか、視野が広がる感覚でしたね。投稿をみて笑顔になって、喜んでくれる人がいたのがうれしかった。

©財界さっぽろ
仕事終わりの豪快な飲みっぷりをXに投稿したところ“万バズ”した。Xのフォロワーは35.4万人に上る。

 ――飲食店でのおいしそうな画像や動画を楽しみにしているファンも多いです。

めいめい : SNSでの活動をする前は適当に済ませることも多かったんですが、始めてからは「最近焼肉を食べてるところを投稿していないな」とか「金曜日だからパーッとビールを飲んでいる絵がいいな」などと考えるようになって。最初に注目いただいた後、月の食費が20万円以上になる時もありました(笑)

 ――投稿に対する反応にも返信されていて、サービス精神がすごいですね。

めいめい : もっといろいろ投稿して見てくれる方々に楽しんでもらおうと思うと、いろいろ投稿も工夫するようになりましたし、多方面にアンテナを張っています。いつも返事をくれる方への返信にも時間をかけていますね。

 ――23年夏に北海道の企業へ2度目の転職をされました。

めいめい : それまでの勤務先は社名やトラックの画像を投稿してはいけない決まりでした。ただ同時期に私の投稿をもとにしたドラマ(フジテレビ系列配信ドラマ「トラックガール」)が制作されるなど、普通に生きているだけではできないようなことがたくさん起きました。
 それは誰にでも来るチャンスではないので、自分に起きていること、20代の自分をもっといっぱい楽しんでやりたい、いろいろなことに挑戦していくべきだと思い、転職することにしたんです。

 ――故郷の北海道に帰ることになった。

めいめい : 18歳で東京に出た時は、もう北海道に帰るつもりはなかったんです。ただ、今の会社の社長さんにお声がけをいただいて(SNSを含め)自由にやっていいよと言っていただきまして。

 北海道出身ではありますが、実は全然地元のことを知らないなとも思いましたし、トラックを冬に運転することの大変さを発信していけたらな、ということも考えました。

©財界さっぽろ
現在の勤務先では農産物を運ぶことも多い

 ――業界団体の開く懇談会などに呼ばれることもあるそうですね。

めいめい : 私自身が若手のトラック運転手を代表しているわけではないんですけど、それを前提に自分の目線で感じたことを話しています。なぜ運転手になったのか、働いていて困っていることはこうだ、とか。週5回、6回と勤務していますから、その中でこうなったらいいよねということは出てきますから。

 ――男性の多い職場で女性が働く上での改善という部分は。

めいめい : むしろ、そういうところにばかり目線を向けがちですが、私は男性女性関係なく改善したほうがいい問題のほうが大きいと思っています。手積み・手下ろしからパレット積みにといった、身体的な負担の軽減であるとか、残業時間が長いと家事の時間がないとか。そういうことが困る女性の運転手を見てきていますし。

 ――ドラマ化の話があった時は。

めいめい : はじめに話をいただいた時は、正直、理解が追いつきませんでしたね。注目を集めるためにSNSを始めた始めた訳ではないけれど、いろいろな話をいただいて展開していく中の1つにドラマがあった。それも含めて楽しい、面白いと言っていただけることが私もうれしいです。

 ――ご自身の役を演じられた、乃木坂46の遠藤さくらさんについては。

めいめい : これも現実感はなかったんですけど、私がSNSで話したことやインタビューで伝えたことをそのまま反映してくださっていて。さすがに休憩中にパンを20個くらいドサッと持ってきて食べる、みたいなシーンは誇張しすぎじゃない?と思いましたが(笑)昔の自分のことを懐かしく思い出す機会にもなりました。

©財界さっぽろ
4月4日、富良野警察署で 1日署長を務めた

 ――今後の目標について、まず本業の運転手としては。

めいめい : 社長さんから何をどこまで運ぶと運賃はいくらだとか、こういう仕事だと採算が合わないんだ、といった経営面の話を教わっていて。普段の勤務で起きている問題を解決することで、働きやすい環境になり、会社も大きくなっていったら、というのが今の身近な目標です。 

 ――興味関心の幅が広がってきた。

めいめい : インフルエンサーとして活動をしていると、自分のSNSでお店を紹介してほしい、といった報酬を含めた話が来ることもあります。私としてはそのためにやっているわけではないし、そうしてお金を得たところで、幸せになるかと言われたら、そういうわけではないのかなと思う。
 私自身は、いつか死ぬ時まで笑ってすごせていられたらいいなと思うし、今後も自分自身、成長していきたい。その上で、今は自分の勤める会社が働きやすい会社になりながら大きくなっていったらいいなと思っています。

©財界さっぽろ
自身をモデルにした漫画「トラックめいめいとビールのおとも」が制作。また自身のSNSを原案とした連続ドラマ「トラックガール」がフジテレビ系配信サイトで公開され、続編の制作も決定した。
トラックめいめい
(とらっくめいめい)2000年12月2日、北海道出身。高校卒業後、東京の運送会社に就職。その後関東の運送会社を経て、23年夏から道内の運送会社に転職。大型トレーラーの運転手として勤務する。

Instagramはこちら|その他SNSなどのリンクはこちら

こちらもおすすめ

関連キーワード