【独自・無料公開】2校の野球部で暴言、不適切行為の末…前代未聞の「ダブル謹慎処分」を受けた釧路・武修館高校の“札付き”指導者【追記・回答は別記事】
高校野球の指導教諭が別の2つの野球部で不祥事を起こした上、日本学生野球協会から同タイミングで処分を受けるという、前代未聞の不祥事が起きたことが当サイトの取材でわかった。
釧路市にある同管内唯一の私立高校・武修館高校の野球部で今年度から採用された教諭のA氏は、4月7日から野球部顧問を務めていた。だが着任早々の4月14日、練習試合の際に部員へ「使えない」「捨て駒だ」などの暴言を吐いたとされる。
また、借りたグラブを投げ返す、打撃練習中の部員の足を蹴って転倒させるなどの暴力行為も行ったという。
その後、部員の保護者などから訴えがあり、学校側が調査。5月22日にA氏を謹慎処分とし、23日に顧問を解任した。
事案は同校から日本学生野球協会に報告。協会は5月24日にほかの学校での事案とともに審査を行った結果、A氏を4月22日から6カ月間の謹慎とする処分を下した。
ここまではすでに報道されている事実だが、この5月24日の審査では、岩手県盛岡市の盛岡誠桜高校の不祥事事案についても審査されていた。
同校も昨年8月以降、指導者による暴言や引退した部員による飲酒などの不祥事が発生。野球部の副部長が部員に「早く辞めろ」「ケガで休むやつは使えない」などの不適切な発言を恒常的に繰り返した上、寮で深夜に部員を正座させるなど不適切な行為を行ったという。実は、この副部長がA氏その人なのだ。
同校の不祥事は、昨年8月に日本学生野球協会傘下にあたる県高校野球連盟へ情報提供があって発覚したもの。だが11月末以降、今年5月まで学校側が自治などの理由から高野連の求める調査を拒否。協会は同校側が調査とその報告書の提出を行うまで複数回にわたり、暫定的な処分を行ってきた。
その上で、5月24日の協会による審査は調査拒否を主導してきた同校校長と野球部監督を今年9月6日までの謹慎、部長と副部長、つまりA氏を6月21日までの謹慎処分とした。
その後、同校が調査報告書の提出に応じたことから、6月21日に協会があらためて同校を審査。A氏は処分のうち上から2番目に重い無期謹慎、同校監督は2年間の謹慎とした。この2人のおかげで転学や退部を余儀なくされた生徒もいた、ということが重い処分の理由となった。
話を武修館高校の件に戻す。今年5月半ば、A氏の処分に先立って武修館高校では同校校長の馬場保孝氏らが野球部員の保護者などに対して説明会を開催。A氏の採用経過や再発防止策など釈明を行った。
だが同校関係者は「A氏は、盛岡誠桜高校以外にも複数の高校で同様の不祥事を起こしてきた“前歴”があると聞いています。実際に氏名をインターネット上で検索すると、悪評が確認できます。複数の保護者がそれを事前に知っておりましたが、説明会では校長からA氏の採用経緯について納得のいく説明はありませんでした。結果として着任からわずか1週間で問題を起こしました。他校経由で指導者としての評判を聞くこともできるはず。それすら怠り問題教師を採用した責任を取るべきです」と憤る。
本稿掲載と同じ6月28日、武修館高校に対し、A氏の採用経緯などについて質問書を送付した。回答があり次第続報として本サイトへ掲載する。
(2024/7/19 16:30追記)同学園からの回答を別記事にて掲載した。