【財界さっぽろ7月号予告・無料】麹町中学校元校長・工藤勇一氏、改革で名をはせた教育アドバイザーが本誌で語った現在地

工藤勇一氏
6月12日、東京都の公立中学校をめぐって、ある報道が流れた。
千代田区立麹町中学校が、ダンス部による校内行事でのヒップホップの発表を禁止し、演目を創作ダンスに一方的に変更。ダンス部生徒の保護者は、学校の方針が区の「運動部活動ガイドライン」に反するとし、区の教育委員会に抗議文を送っているという内容のものだ。
報道後、ミュージシャン・YOSHIKIやラッパー・呂布カルマらが反応。話題を呼んでいる。
一方、麹町中公式ホームページでは「専門の指導者のもとヒップホップダンスを含め週2回の活動を実施しております」とし、報道を真っ向から否定している。
麹町中といえば、2014年に着任した工藤勇一前校長(20年3月定年退職)の下、数々の学校改革が実施された。
「固定担任制からチーム担任制の導入」「中間・期末考査の全廃」「宿題廃止」「服装頭髪指導を行わない」などの内容は、各種メディアでも取り上げられ、教育関係者を中心に全国的に注目を集めた。
工藤氏が去った麹町中では、現在指導方針を転換している。実際に、24年度から一部のシステムが変更された。
「前校長退任の反動ではないか」「管理教育に戻すのか」――。麹町中の報道に対しては、このような声もささやかれている。
「財界さっぽろ7月号」では「教育学 道内私学事情2024」として、道内の私立学校を特集。特別企画として、3Pにわたる工藤氏のインタビューを掲載している。
工藤氏は麹町中退任後の20年4月、横浜創英中学校・高等学校校長に就任。24年3月に校長職を退いた後は、教育アドバイザーとして全国の私立学校や自治体のアドバイザーを務めている。
公立畑を歩んできた工藤氏にとって、初めて挑んだ私立の教育現場。横浜創英中高でも新たな改革を断行してきたが、公教育でも私学でも根本は変わらない。
全ての取り組みの中心には、〝子どもの主体性を伸ばす〟〝子どもの当事者性を伸ばす〟の2つの教育目標が根付いている。
「私立だからといって、目新しい教育をする必要はない」「私自身が現場を離れても、教員一人ひとりが〝あること〟をできているなら心配はいらない」と工藤氏は語る。
そして、私学の若手教員に向けて、繰り返し発信しているメッセージがあるという。
また、工藤氏は「自分が行ってきた改革は全国に横展開できる」と主張。チーム担任制導入の秘訣など、本誌ではその具体的な手法についても触れている。