【財界さっぽろ5月号予告・無料公開】ファイターズが去って2年、苦難・札幌ドームの生き残りウルトラシナリオとは!?

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札幌ドーム

 ファイターズが去った後の、札幌ドームは想定されていたこととは言え、悲惨というしかない。収入は激減し、活路を見いだそうと取り組んだあの手この手は、今のところ、不発。
 今年1月9日にはネーミングライツの公募を開始したたが、2月29日までの期日までに応募がなく、期限を設けず延長をかけた。また、10億円を投じ、ドーム内を巨大な暗幕で半分に仕切った新コンサートモードも、これまでの利用実績はイベント開催が2回、今年3月にようやく音楽フェスで1回使用されたのみにとどまっている。
 札幌ドームは市が所有し、その運営は第3セクターの株式会社札幌ドームがになっている。今の札幌ドームの厳しい経営状況は、これまで〝殿様商売〟をしてきたつけが回ってきたという見方も少なくない。
 ファイターズが本拠地移転を決断した一因は、市側の対応に不満を持ったからとされる。球団はたびたび、市側に使用料の減額、運営改善などを求めていた。しかし市側は十分に向き合うことをせず、双方にミゾができた。
 当時、関係者の間では「球団と交渉の窓口になっていた市の所管部署がお役所体質で、上から目線の対応で球団担当者を怒らせた」という話が流れていた。一方で、売り言葉に買い言葉ではないが、「球団側も上から目線で市の担当部局を変えさせた」という話もある。
 一概にどちらが悪いとは言えないが、「ファイターズが出ていったのはドーム側のせい」。世間は市と札幌ドームに悪者のレッテルを貼った。
「日本ハムを裏切った札幌ドームの末路」。ネット上では、こんなYouTube動画がたくさん見受けられ、若者を中心にバズっている猫とネタを組み合わせた動画「猫ミーム」でも「日ハムに見捨てられた札幌ドーム」と、揶揄する作品も流れる。
 厳しい経営状況からタブロイド紙などでは、札幌ドーム解体論を報じる始末。東スポはIR誘致のほか、〝新札幌競馬場〟の建設を期待する声が高まっていると現実度は度外視のネタまで取り上げた(【無料公開】札幌ドーム〝解体論〟が話題、過去に浮上した全天候型、東洋一の新・札幌競馬場構想の中身)。
 しかしながら、必ずしも札幌ドームが悪者というわけではない。ファイターズが本拠地として使用していたため、経営が安定していただけで、第三セクターという〝性質〟から考えると利益のみを追求しなければならないというわけではない。過去、本誌でもこうした切り口(【徹底検証!】札幌ドームの“悪者”レッテル貼りは本当なのか!?)を取り上げている。
 一方で、収支予測は今のままでは先行きが暗いというのが衆目の一致するところ。札幌ドームは3月期決算。ファイターズの移転を受けて、市は23年度~27年度までの収支見通しを公表している。23年度決算では2億9400万円の赤字を想定しているが、その額はさらに膨らむとみられる。
 さらに、24年度は9000万円の黒字を確保するとしているが、イベント開催数が増えることを見越してのものだ。現状を踏まえると、大きく増えることは考えにくい。
 苦難・札幌ドームに対し、市がひそかに温める生き残りのシナリオがあるという。4月15日発売の財界さっぽろ5月号では、ドーム周辺で整備計画が進む新月寒体育館、新アクセスサッポロを交えた関連記事を6ページ掲載している。

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