誠和工業【業種別景況と企業動向】

©財界さっぽろ

建築元請けとして携わった札幌市厚別区の商業施設「Oyachi5」(2023年5月完成)

スーパーフレーム工法の普及に尽力。業容拡大も推進

 建築費の高騰など経営環境の変化が激しい建設業界で、着実に成長を続ける「誠和工業」。建築元請けとして賃貸マンションやショールーム、社員寮なども手がけてきた。
 こうした中で、建築コストを圧縮する工法を模索し、たどり着いたのが日本製鉄が約20年前に開発したハイブリッドパネル工法「スーパーフレーム工法」だ。そこで日本製鉄の関連会社「スーパーフレーム北海道」と提携し、コロナ禍前から高齢者施設や企業などにアプローチを重ねてきた。そしてこの7月、同工法での同社一棟目となる建築プロジェクトがスタートする。
 同工法はスチールと各種構造面材を組み合わせ、高い断熱性や遮音性、耐久性を実現。軽量鉄骨造扱いになり、固定資産税も抑えられる。建物の規模や仕様によっては、従来工法より1~2割ほど建築コストを下げられるという。
 文入圭輔社長は「社宅や高齢者住宅など、画一的な間取りの低層物件は特に建築費用を下げられます。施主様の事業・投資スタンスに応じて提案しています」と語る。
 もちろん、従来工法による建築工事にも対応し、テナントビルや賃貸マンションの着工も控えている。
 一方で8月に労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格ISO45001も取得する。米通辰哉専務は「当社は創業から重大災害ゼロを継続中ですが、協力会社を含め、改めて労働環境を整備し、社員の安全意識の向上を図っていきたい」と話す。
 年内には一級建築士事務所の登録も行う予定だ。
「設計、施工、施工管理を一気通貫で提供することで、工期の短縮や建築コストの圧縮につなげたい」と文入社長。
 現在、グループには建設資材や機械の運搬会社「GSK」を有しており、今後は建設の各種関連事業への進出も計画。中長期計画「2030ビジョン」で掲げるホールディングス化に向け、事業チャンネルの拡大を加速する。

©財界さっぽろ
文入圭輔社長(右)と米通辰哉専務

こちらもおすすめ