MARVELOUS HOME【業種別景況と企業動向】

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本社が入居する自社所有の賃貸マンション

投資用賃貸マンションを多数供給。今年・来年も続々完成

 自社設計・施工の建築と不動産事業を主軸とする「MARVELOUS HOME」。1996年に創業し、千歳市を拠点に札幌市や恵庭市、苫小牧市など道央エリアを主戦場としている。
 中でも堅調なのが投資用賃貸マンション・アパートの企画と施工。事業用地が不足する中でも独自のネットワークを生かし、優良な土地を確保している。
 8月にも札幌市東区、地下鉄東豊線「東区役所前駅」の徒歩圏に7階建ての賃貸マンションが完成する予定で、全54戸の大型物件として注目を集めている。また、地下鉄東西線「菊水駅」から徒歩3分の好立地の土地も確保しており、全40戸の賃貸マンションを計画中。こちらは8月に着工予定となっている。
 千歳市内の賃貸企画では群を抜く実績を誇り、年内に新たな賃貸マンションプロジェクトもスタートする。
 同社では地主や投資家の投資スタンスに応じて、木造からRC造、高層マンションまで幅広く提案している。これまでに蓄積した賃貸経営のノウハウと綿密なマーケティングを駆使し、土地の選定にも妥協しない。
 小松義徳社長は東京都内のゼネコンに勤務し、現場監督を務めていた人物。設計を含む物件のデザインは首都圏のトレンドを随所に取り入れており、入居者の心をつかむ意匠性の高さも同社の真骨頂といえる。
 これまでに手がけた賃貸物件は数多く、その〝量〟もさることながら軒並み高い入居率を誇る〝質〟の高さも特筆される。例えば20年前の企画物件でも入居率は常時9割を維持。しかも新築時に設定した家賃で現在も入居者を確保している。家賃収入は築年数の経過とともに減少するのが一般的といわれており、同社の企画物件はこれまでの賃貸経営の常識を覆す実績を残している。
 顧客は道内外の富裕層が中心。しっかりと収益をもたらしているからこそ、寄せられる信頼は厚い。リピートはもちろん、口コミや紹介によって顧客を増やしている。また、賃貸仲介部門を有しており、入居者の獲得をサポート。高いリーシング力もオーナーにとっては心強い。
 また、2018年からは完成後の管理も本格的に開始。その数は5年足らずで700戸に達している。今年から来年にかけての竣工分で100戸以上が増加する予定。管理業務も新たな柱とになりつつある。
 札幌市内での業務増加に伴い、21年末には札幌市白石区に営業所も開設。建築部門を担うグループ会社「マーベラス」(本社・札幌市)と連携し、札幌の市場開拓を進めていく。
 賃貸経営全般をサポートする体制を敷き、中古収益物件の売買仲介や建て替えなどの相談にも対応。顧客オーナーの満足度を高めている。
 一方、多彩な事業チャンネルも同社の強みで、ハウスメーカーとして一般住宅の新築やリフォームも手がけている。特にリフォーム分野は好調で、フルリフォームやリノベーションなどの大規模工事から外壁工事、水回り交換まで、大小さまざまなオファーが寄せられている。
 不動産会社としては、事業用不動産から一般住宅まで幅広く売買仲介を行っている。来春には千歳市、札幌市で医療・福祉施設の建築もスタートする予定で、建築部門の事業領域も拡大させていく方針だ。
 業績も堅調に推移している。グループ全体での受注高は毎年一定額以上をコンスタントに計上し、経営基盤も盤石だ。

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8月に札幌市東区に完成予定の賃貸マンション
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「菊水駅」徒歩3分の土地に賃貸マンションを着工予定
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高い入居率と収益性を誇る企画物件の一例。木造とRC造双方に対応
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高い入居率と収益性を誇る企画物件の一例。木造とRC造双方に対応
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ハウスメーカーとして注文住宅なども多数手がける
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ハウスメーカーとして注文住宅なども多数手がける

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