【独自・無料公開】昭和天皇・皇后もご宿泊、転売された小樽の歴史的建造物・和光荘

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和光荘(2016年撮影)

 小樽市郊外の潮見台地区にある和光荘が転売された。今年のGW前に購入したのは、登記によると、蒙泰株式会社。代表者の奥鳳廷氏は、内モンゴル自治区に本社を置く蒙泰集団のトップである。
 和光荘は歴史的な建造物として知られ、大正11年築。小樽の老舗酒蔵・北の誉酒造の2代目社長・野口喜一郎氏が建てた。
 洋風デザインと和の伝統劇な技術を取り入れ、建物を公開していた時は建築分野の専門家らが多数、見学に訪れていた。戦後、ホテルとして活用していた頃もあり、1954年には昭和天皇・皇后が泊まられた。
 北の誉酒造がオノエンホールディングス傘下に入った後は野口家の子孫が2009年に購入。その子孫が私費も投じて維持・修理に務めてきたが、18年には、中国人がトップを務める国内企業の元大グループに和光荘は売却された。
 元大グループはかつて夕張リゾートを買い取り、再生に乗り出して話題を集めた。ゴタゴタの末に夕張リゾートを香港系投資ファンドに売っているが、おそらく、この時の売却益が和光荘の購入原資になったのだろう。今回も元大グループは中国人の人脈を活用し、和光荘を転売した形だ。

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