「コストダウン」のスペシャリストが15周年を迎え成長スピードを加速

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本社(左)と自社工場。22年に新設した

T.K.R(本社・札幌市、加藤忠社長)は〝除雪のT.K.R〟としてテレビCMも有名だが、元は鉄筋工事を主体に2007年に創業した。現在はコストダウンコンサルティング業を手掛け、22年には15周年を迎えた。ニーズを捉えた幅広い事業展開で成長を続ける。

複数店舗契約など独自施策で右肩上がり

〝除雪のT.K.R〟として道内では高い知名度を誇る。大型商業施設やスーパー、コンビニ、倉庫、飲食店など1000社以上の法人と契約しているほか、スポットでの依頼も多い。
 長年にわたり鉄筋工業に携わってきた加藤忠社長が2007年に創業。マンションやアパート、住宅の基礎鉄筋工事などを主事業に据えながら、除排雪やユニットハウス事業、セキュリティ事業など多角的な事業を展開している。
 加藤社長は「除排雪や防犯監視カメラ、LED照明など、さまざまな事業を展開していますが、当社は創業当初から『年間経費のコストダウン実現』をテーマとする総合コストダウンコンサルティング企業です。クライアントのコスト削減をさまざまな角度から提案しており、とくに除排雪は高い評価をいただいている」と語る。
 例えば、雪質に合わせた適切な除雪車輌のフォーメーションや、毎年地区ごとに同じオペレーターが担当するなどの工夫で作業時間を短縮。ローコストでサービスを提供している。
 また、複数の店舗を所有する法人の場合などには、一括での契約を提案。契約数に応じた割り引き率で、企業のコスト削減を実現している。
「除排雪費用が1シーズンで1500万円下がったクライアントもあります。電気料金などさまざまなコストが増えるなか、今後も企業や消費者の経費削減の手助けになる事業を拡大させていきたい」と加藤社長。

ユニットハウスや貸しガレージ事業も

 除排雪事業による信頼の獲得によって、鉄筋・土木工事や防犯監視カメラの設置、LED照明器具の販売など他の事業の認知向上にもつながっている。特に好調なのがユニットハウス事業だ。
 鉄製の箱型構造の建物で、コンテナやプレハブよりもデザインの自由度が高く、高い強度も実現。事務所や倉庫として幅広く利用されている。
 加藤社長は「130坪程でも1カ月半で完成するうえ、撤去もすぐにできる」とその優位性を強調する。
 同社では販売や設置工事のほか、電気工事やエアコンなどの設備の設置、内外装のデザインやリフォームなど、ユニットハウスに関するあらゆる業務に対応。現在も、約50棟の予約が入っている状態だ。
 また、19年には新事業として開始した貸しガレージ事業も右肩上がり。基礎工事から鉄骨工事まで一貫して手掛けている。
 例えば、札幌市北区東茨戸に設置した42室の貸しガレージはすでに満車で、年内完成予定の新棟もすでに予約済みだ。キャンピングカーやスポーツカー、バイクの置き場所として活用されており、アプリと連動して監視カメラでガレージ内を24時間見ることも可能。利用者は首都圏の富裕層や輸入車ディーラーなど幅広い。
「当社では、既存のサービスを組み合わせることで、新たな付加価値を生み出すのが得意です。貸しガレージと監視カメラの組み合わせによって世界中から自分の所有する車が見られるため、安心して預けてくださってる」と加藤社長は好評の要因を分析する。
 同社では好調な業績を受けて、今後もさらに事業を拡大していく予定だ。デジタルサイネージや屋外広告などの新規事業も開始しており、業容拡大にも拍車がかかる。
一方で、足元も固める。当面は設備投資をして、社員の働く環境をさらに整えていく計画だ。
 加藤社長は「従業員は会社にとっての主役であり顔でもある。人には適材適所があり、得意分野の仕事をすることによって会社の業績が圧倒的に伸びるようになった。顧客満足の追求とともに、従業員の満足も追求しさらに成長し続けていく」と前を見据えた。

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加藤忠社長
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社屋廊下には自社ロゴを配置
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除排雪作業は同社が得意とする分野だ

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