アイビックグループ創業100周年 増収増益で念願の100億円達成!
今年9月1日に創業100周年を迎えるアイビックグループ(本社・札幌市、牧野利春代表)が、念願だった売上高100億円を増収増益で達成した。大きな節目を迎え、社会貢献を目的にした支援寄付事業などの「100周年記念事業」を実施している。
100周年事業として支援寄付を実施
1922(大正11)年9月1日に名寄市で創業したアイビックグループ。60年には法人を設立し、釣具卸販売を開始した。現在は、釣具・アウトドア用品卸の「アイビック」(本社・札幌市、牧野良彦社長)、食品、調味料製造の「アイビック食品」(同、牧野克彦社長)、不動産賃貸の「アイビーエム不動産」(同、今西輝社長)を中心に、グループ6社で事業を拡大。盤石な基盤を築いている。
創業100周年を迎えた今年は、かねてから目標に据えていた「創業100年・売上高100億円」を達成した。現場主義、顧客満足度を徹底する方針を貫き、新事業や新会社を次々と立ち上げるなど時代をリードしてきた証左とも言える結果だ。
大きな節目を迎えたが、同社ではコロナ禍に配慮して予定していた盛大な記念式典を行わず「100周年記念事業」を実施。長年の感謝の意を込めた「支援寄付金事業」を行った。
その1つが、コロナ禍で深刻化する看護師不足に対する支援。対象は、札幌に1校しかない看護・医療系専門学校として人材育成を目指す「看予備」を運営する学校法人創研学園へ年間400万円の支援協力を今後5年間継続する計画で、総額2000万円の支援となる予定だ。
2つ目が、道内および全国の関連7団体への寄付だ。
公益財団法人日本釣振興会への寄付をはじめ、創業の地である名寄市や北海道、若手経営者育成の北海道経営未来塾を運営する未来経営研究所、更生保護法人更生保護協会などへ総額1000万円の寄付を行った。
3つ目が、社員への記念還元。グループ会社から1000万円、牧野利春代表から1000万円の計2000万円を全社員270人に特別報酬として贈呈した。同社では全社員が株主総会・決算報告会に出席するなど、従前から全社員参加型経営を実践しており、今回の特別報酬はその象徴とも言えるものだ。
次の100年に向けた新しい取り組みも
創業100周年の記念事業を粛々と実施する一方、次の100年を見据えた事業展開も着々と進めている。
その1つが、21年11月に設立した新会社「キャンパーズアンドアングラーズ」だ。アイビックとアイビック食品のほか、アウトドア用品メーカーの国内トップブランド「スノーピーク」など4社が出資して設立。その動向が注目を集めた。
事業目的は、キャンプと釣りを融合した新しい価値の創出で、これまでにない体験型施設の開設を目指している。道内で3〜5カ所のほか、全国にも拡大させる構想で、その第1弾の施設が札幌近郊に23年中にオープンする予定だ。
施設の概要は、キャンプフィールドやフィッシングエリア、アウトドア用品などの物販店、カフェ・レストランやグランピングなどが集積。アウトドアが一度に楽しめる。
またアイビックでは、自社で展開するルアー・フライ専門店「MyLoch(マイロッホ)」の直営店を、今秋にもサッポロファクトリー2条館1階にオープンする。「MyLoch」の直営店は、同社が展開する総合アウトドアショップ「COrSO SAPPORO(コルソサッポロ)」(札幌市手稲区富丘3‐4)についで2店舗目となる。国内有数のブランドのほか、アウトドア用食品も扱う予定だ。
一方、アイビック食品では、22年5月末の決算でコロナ前の売上に回復。主軸のだしやタレ、調味料などの製造販売に加えて、21年9月にオープンした「GOKAN~北海道みらいキッチン~」も好評だ。同施設は「北海道の食のDX拠点」をテーマに、試食会や動画撮影、SNS発信にも活用できるセントラルキッチンなどを備えている施設。五感を刺激する食提案ができる画期的な試みだ。
グループの連携事業としては、22年4月に野外で食べるご飯〝青空メシ〟を楽しんでもらいたいという思いから生まれた「DELBE(デルベ)」をリリース。ファクトリー店の出店も予定している。また子会社で惣菜製造の「総菜開発」では、22年8月に札幌市北区に百合が原工場が稼働。北海道のソウルフード「いももち」の製造など、体制が大幅に強化された。
また、賃貸マンションなど31棟と、駐車場7カ所を所有する「アイビーエム不動産」の業績も堅調に推移。年間1億8000万円の収益を計上しており、今後は店舗用地を中心に購入する計画も進めている。
北海道に生まれて100年。アイビックグループは新たな事業展開で、今後も道内経済の活性化にも貢献していく。