目指すは4年後のJ1昇格BTOPサンクくりやま始動 ◎矢野哲也社長/西野虎太郎BTOPサンクくりやま総監督

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 高い志を持つクラブチームが現れた。その名は「BTOPサンクくりやま」。目指すは4年後のJ1参入だ。初年度は北海道リーグでの優勝を目指す。

最短・最速でJ1へ北海道を熱狂させる

 2022年1月、Jリーグへの本格参入を目指す新たなプロサッカークラブ「BTOPサンクくりやま」が発足した。立ちあげたのは元Jリーガーの矢野哲也氏。アマチュアの道内トップリーグ「北海道リーグ」で活動する社会人サッカーチーム「サンクFCくりやま」(栗山町)を運営するNPO法人から引き継いだ格好で、運営会社「BTOP」(本社・札幌市)を設立した。これを機にチームをプロ化するなど組織を一新。4年後のJ1昇格を目指す新生チームとして第一歩を踏み出した。
 矢野社長は「発足したばかりのチームではありますが、まずは22年度の北海道リーグで優勝し、全国から勝ち上がったチームとの『地域チャンピオンズリーグ』で優勝します」と宣言。実現すれば来年はJFLに昇格できる。さらに下の図のピラミッドを1年に1段登り、4年後のJ1参入を目指している。
 しかし、チーム発足から4年で国内トップリーグへの参入を果たした例はゼロ。それでも前例のない挑戦に矢野社長は燃えている。
「私たちは本気です。総監督として全国最年少の西野虎太郎氏を招いたほか、U‐17元日本代表の杉山雄太氏を監督に、また現役Jリーガーを含む次世代の優良選手を獲得しました。4年後を見据え、今後も選手の補強を続けていきます」と矢野社長。
 当然、この壮大な青写真を実現させるためには、勝利が絶対的な条件であり、強いチームづくりが求められる。そこで今回、西野総監督が掲げたチームのコンセプトが「知性」だ。
 西野総監督は「勝利も敗北も、得点も失点も、全てそれらを決定づけるロジックが必ず存在しています。攻撃や守備の各トランジションをはじめ、あらゆる局面において、集団として起こしたいアクションをグループワークを通じて共有することで、各選手のパフォーマンスレベルの最大化を図るとともに、チームの確定要素も高めます。プロ・アマ問わず約150人の候補選手をリスト化し、個々の特性を考慮してオファーした結果、構想メンバーの誰一人欠けることなく選手をそろえることができました」と自信を見せる。
 当然、現役Jリーガーなどは移籍によって年俸ダウンとなるケースも少なくないが、西野総監督が掲げるチームビジョンに賛同。国内トップリーグから一転、北海道の地域リーグでのプレーに快諾した。
「オファーに応えてくれた選手には感謝しかありません。選手の思いに応えるためにも、チームを勝たせることが私の役割。必ずJ1に昇格させます」と西野総監督は誓う。

愛されるチームへ スポンサーも募集中

 一方、矢野社長は「私の役割はチームのブランディングです。観客動員数なども昇格の条件であり、サポーターが少なければJリーグには上がれません。地域に根ざし、老若男女から愛されるチームに、そしてファンを熱狂させられるチームに成長させていく必要があります。その一環として、サッカー教室の開催などで子どもたちにスポーツの素晴らしさを伝えていきたいですし、さまざまなイベントを通じてファンとの距離を縮めていきたいですね。目指すは〝会いに行けるサッカー選手〟です」と語る。
 すでに道内ではJ1で活躍するコンサドーレ札幌が根付いているが「神奈川県にはJ1~3まで6チームもあります。都道府県単位のダービーマッチを開催するなど地域イベントもあり、盛り上がっていますよ。私もコンサドーレに夢を与えてもらいました。コンサドーレと共存し、北海道をサッカーで盛り上げていきたい」と矢野社長は説明する。
 一方、新生チームならではの課題の1つが、スポンサー集めだ。Jリーグのクラブチームの7~8割がメインスポンサーや親会社を持っている。選手の人件費やチームの運営費、遠征費、練習場の整備など、クラブチームは出費も多い。資金力がモノを言う〝体力勝負的〟な側面も否めないが、BTOPサンクくりやまは親会社を持たない独立系のクラブチーム。協賛企業の獲得が重要なポイントだ。
「現在、上級スポンサー(1カ月30万円、年間契約)15社、スポンサー(1カ月10万円、年間契約)30社を上限とし、道内企業の皆様にご支援をお願いしています。初代スポンサー様には、さまざまな優先権を用意するほか、イベントの共同開催や福利厚生事業、チーム・選手のSNSでのコラボなども計画しています。ぜひご支援を」と矢野社長。
 4年後、道内から四半世紀ぶりのJリーグ参入チームが現れるのか――今後もBTOPサンクくりやまの動向に注目したい。 
 問い合わせは☎011・213・8524またはホームページ(https://btop.jp/)まで。

BTOP社長

矢野 哲也
やの・てつや/1984年札幌市生まれ。SSS札幌サッカースクールで競技をスタート。北海高校卒業後、J1の柏レイソルに加入。2007年に現役を引退。リクルート北海道じゃらん勤務などを経て2022年1月社長就任。
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BTOPサンクくりやま総監督

西野 虎太郎
にしの・こたろう/1997年札幌出身。札幌創成高等学校卒業後、札幌大学に進学。J2のザスパ草津(群馬県)のセカンドチームに所属。現役引退後、指導者として活躍。2022年1月から現職。
現在は地域リーグに所属。目指すはJ1参入だ

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