フォルプレックス
高品質なサービスと徹底した顧客満足の追求で急成長
建物の維持管理に不可欠なビルメンテナンスのなかで、清掃事業は構成比が約60%と最も高い。特にコロナ下においては、衛生面への関心が高まり、その存在が改めて見直された。
〝顧客第一〟をテーマに掲げる「フォルプレックス」も建物の清掃を中核事業とする企業の1社だ。マンションをはじめ、医療施設、官公庁、コンビニなど札幌市内や近郊を中心に事業を展開。創業6年目の新鋭企業だが、年間1500件以上の案件を手掛ける企業へと成長している注目企業だ。
高い清掃技術と経験により日常・定例清掃のほか、専門の知識と技術が必要な特別清掃も行い、コロナ下では消毒や除菌も手掛けている。積極的な営業活動は一切行わず、口コミと取引先からの紹介で拡大してきたという同社。信頼を獲得し続けているのには理由がある。
最大のポイントが顧客目線に立った丁寧できめ細やかな清掃プログラムだ。平等誠社長は「例えば日常清掃は頻度が高く慢性で雑になりがちですが、当社では独自のSOP(標準作業手順書)を構築しています。資機材、手法、清掃作業工程の標準化を確立している。加えて、細菌が付着しやすい部分は、衛生的観点から、特に入念な作業を行うことで他社との差別化を図っています。地道な作業を続けることが信条です」と話す。
また、人材の成長がサービスの品質に直結すると捉える同社では、従業員の育成にも注力している。清掃の技術研修はもちろん、「社員のやりがいや喜びを見出せば自ずと顧客満足を追求する」という考えを実践するため教育研修も行う。
一方で、20年からは戸建や賃貸住宅の内装工事も手掛け業容を拡大している。現在はクロスの張り替えや水回り工事など、年間で約400件の案件を手掛けるが、根底にあるのは顧客満足の精神だ。平等社長は「清掃業務の際にリフォームが必要な箇所を多く目にする。清掃と内装工事を一括してできれば、コストダウンや作業の効率化が図れる」と新事業参入の経緯を語る。今後は中核事業の一つにしていく計画だ。
「清掃業務は汚いイメージが先行し敬遠されがちですが、建物利用者に快適で清潔な環境を提供する重要な仕事だと考えています。お客様のニーズや建物の用途、構造、特性を汲み取った清掃を心掛けている。品質を追求し続け顧客満足の向上に取り組んでいく」と平等社長は力を込める。