日星電機
バイオマス、農業分野に挑戦 社員の生産性向上にも着手
昨年に創業70周年を迎えた「日星電機」。農業や河川、上下水道などの給排水、浄水設備の施工を主軸に空調、環境、機電設備工事も手がける。
〝水・空気・電気〟の専門集団として、官民双方から寄せられる信頼は厚い。
近年はバイオマスプラントの建設にも参画。2019年に上川郡清水町に完成したバイオマスガス発電所では、施設の心臓部ともいえる発電機および周辺機器の設計や据付を行い、現在も保守を担っている。
同施設で培ったノウハウを生かし、22年に完成する道東のバイオマス施設の建設プロジェクトへの参加も予定。今年4月には工事がスタートする。
また、AIやIoT技術を活用したスマート農業が推進されている中、〝水のプロフェッショナル〟として「水田水管理」の効率化も提案していく。
例えば、水温や水位を測定するセンサーを水田に設置すれば、測定データが専用アプリに送信され、スマートフォン1つで水温や水位をリアルタイムで把握できる。さらに、アプリと連動した水門を用水路に設けて、入・出水作業を遠隔操作することも可能。水田水管理がワンクリックで完了できるというわけだ。
中谷光弘社長は「水温や水位の管理は作物の収穫量に直結する重要なポイント。これまでは現場に足を運び確認する以外に手段はありませんでしたが、農地の大規模化や農家の高齢化が進んだ昨今、省人化は必要不可欠です。微力ではありますが、当社の技術力で道内の1次産業の発展に寄与できれば」と語る。
現在は実証実験中でノウハウを収集している。「22年中には関係各所に提案していきたい」と国枝俊行専務は意気込む。
一方、社員一人ひとりが達成感と成長を感じられる職場づくりを目指す同社では、昨年11月から日立製作所グループの「ハピネスプラネット」(本社・東京都国分寺市)が提供するアプリ「HappinessPlanet」を社内で活用している。
「アプリ内で社員一人ひとりの日々の目標を共有し、周囲からの応援コメントでその日の仕事を充実させ、前向きに仕事に取り組む思考を習慣化していきます。また、社員のコミュニケーションを促進させる狙いもあります。社員のレジリエンスを高め、生産性の向上につなげる」と中谷社長。自社で一定の効果が認められれば、同アプリの普及にも携わっていく方針だ。