札幌清興サービス

燃料高騰にも若手のパワーや自助努力で打ち勝つ

　物流を通じた「地域活性化」を目標に、道内全域と関東圏で多様な運送サービスを提供する「札幌清興サービス」。
　１９９０年の創業以来、同社がひときわ力を注いできたのが安全輸送管理。居眠り防止対策では最新システムを導入し、車両のふらつきや位置情報、車載カメラの動画をリアルタイムで監視する。また、タコグラフによる運行管理とドライバー指導、管理者の現場巡回の徹底も奏功し、創業以来30余年、同社の過失による重大事故ゼロを継続中だ。
　一方、物流業界の人材不足を見据えた若手の育成にも注力する。例えば、普通自動車免許を取得して間もない若者でも従事できるように大型車両を使わないワンボックスカーでの業務を受注。並行して大型免許、大型けん引免許の取得費用をサポートし、将来は大型トラックやトレーラーのドライバーへとステップアップする環境を整えている。
　その結果、物流業界では比較的若い30～40代を中心とした社員構成となり、若い世代ならではの馬力の強さが評判を呼び、特に夜間輸送での受注を伸ばしている。　　
　今後は、ユニック車による重量物輸送なども計画し、事業拡大を図っている。緑川清志社長は「予測不能な時代だからこそ、新たな試みによる経営基盤の強化が必要。燃料高騰で運送業は大打撃を受けていますが、エコドライブの徹底やドライバーの意識改革など自助努力を重ね、この局面を乗り切りたい」と語る。