函館病院

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約400人の職員が在籍する「国立函館病院」

「療養就労両立支援チーム」が、がん患者を全面的にサポート

 全国に140(道内は5カ所)ある独立行政法人国立病院機構(本部・東京都目黒区)の1つである「函館病院」。渡島地域にある医療や介護機関と密接に連携し、良質な医療を提供している。
 昨年は新型コロナワクチンの先行接種機関として道内のトップを切り医療スタッフへの予防接種を開始。3回目となる追加接種でも道内でいち早くスタートし、マスコミでも大きく報道された。
「1月17日からブースター接種(3回目接種)を始めています。1日300人の限定で、土日も2週に1回おこなっています。今は当院の通院者や市町村からの接種券持参者に限られますが、一般の人に向けてもできる限り協力していきたい」と語るのは加藤元嗣院長。
 同院は、がん講演会や休日の乳がん検診の実施など、広く道南地域のがん診療の啓蒙・予防活動等を積極的に展開。そのことが評価され、2016年に国から「地域がん診療連携指定病院」に指定され、多種多様のがんの早期発見に努めている。
 胃がんの原因とされるピロリ菌検査では、尿を用いて抗体の量を測定する抗体検査を実施。時間も30分ほどで、費用も1000円(税込み)と、気軽に受けられると好評だ。
「ピロリ菌を除去すれば胃がんのリスクを約3分の1程度に抑えることができます。それは検査が早ければ早いほど、年齢が若ければ若いほど予防効果は高いです」と加藤院長。治療では3種類の薬を1日2回、1週間服用することで約90%の患者が除菌に成功しているという。
 チーム医療に関しては、19年に「療養就労両立支援チーム」を発足。社会保険労務士の資格を持つ曽我理事務部長と医療ソーシャルワーカーの片桐奈津子さんが中心となり、がん相談支援センター看護師とがん性疼痛看護認定看護師の4人体制で、がんで退職を余儀なくされた患者の療養と就労との両立を支援。これまでに14人の患者に携わり、今後はがん患者以外にも対象を広げていくという。

●診療科目
呼吸器科、循環器科、外科、消化器科、心臓血管外科、泌尿器科、放射線科、麻酔科、病理診断科、皮膚科、臨床検査科、総合診療科、緩和ケア科、歯科口腔外科、形成外科、婦人科、整形外科、眼科、
リハビリテーション科、脳神経外科
●診療時間
月〜金 8:30~11:30 13:00~15:30
●休診日
土曜・日曜・祝日・年末年始

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旧国立八雲病院から機能移転した重心病棟
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昨年8月に北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督が重心病棟を訪問
独立行政法人国立病院機構 函館病院
函館市川原町18番16号
TEL:0138・51・6281
https://hnh-hosp.jp/

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