眼科西坂医院

西坂 紀実利院長
にしざか・きみとし／２００１年札幌医科大学卒業。12年５月開院。日本眼科学会認定眼科専門医。

「怖くて当然」。患者心理を理解する白内障の執刀医

　日帰り手術が普及し、白内障の治療はポピュラーになったが、目にメスを入れることをためらう人は多い。眼科医にとって白内障手術は、基本的に安全な手術として認識されているが「患者さんの恐怖心は十分にわかります」と西坂紀実利院長。北海道大学病院時代なども含め、数多くの白内障手術を手がけてきたからこそ、患者心理も、その家族の心理にも理解を示す。
「高齢者の場合、足元が見えづらいことで転倒事故のリスクも高まるため、別居する家族などから手術を受けさせたいと相談されることも珍しくありません。ケガで入院となれば、認知症のトリガーにもなりかねません。ご自身でしっかりと考え、後悔の無い選択をしてほしい」
　ただし、選択を〝先延ばし〟にすればするほど、身体的リスクが高まることも事実だ。
難易度の高い手術も数多く経験し、執刀技術を磨いてきた西坂院長は「進行が進めば手術の難易度は高まりますし、目の中の組織は加齢によって年々傷み、手術は難航します」と話す。
　あくまでも患者の意向を尊重し、手術を強要することは一切ないが、「クリアな視界を手に入れれば行動が活発となり、健康寿命を伸ばせるはず。また、白内障は徐々に視界がぼやけるため、低下した視力に慣れてしまうケースも少なくなく、術後のクリアな視界に驚く患者さんもいます。生活の質は高まるでしょう」と手術のメリットを教えてくれた。
　手術費用は保険適用で、高齢者なら２万円ほど。白内障と老眼を同時に治療できる多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術を選択する患者も多い。こちらは自由診療となる。
　医療機器の更新頻度も高く、常に最新の医療の提供を目指す同院では、緑内障に対してレーザー照射で眼圧を下げる「ＳＴＩレーザー治療」も取り入れている。
「正式には『隅角光凝固術』と呼ばれる治療です。加入する生命保険や医療保険の手術給付金の対象となるケースもあります。点眼薬の頻度を減らせますので、特に薬の副作用に悩まれている方には試してほしい」