札幌整形外科脊椎脊髄センター

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鐙 邦芳理事長
あぶみ・くによし/1977年北海道大学医学部卒業。米国イェール大学生体力学研究所研究員、釧路労災病院整形外科部長、北大大学院医学研究科教授などを経て現職。北大名誉教授。医学博士。

頸椎分野に実績。難易度の高い手術で患者を救う

 アクセスしやすい下手稲通り沿いに立地する「札幌整形外科」。病棟が築30年以上を経過しており、さらなる医療サービスの向上のため、施設を全面的に建て替える。2021年4月1日から新病院で診療を開始する。
 同院には、鐙邦芳理事長を含め3人の整形外科医が在籍しており頸部痛や腰痛、上・下肢のしびれといった脊椎脊髄疾患の治療を提供。整形外科疾患全般の外来から手術、入院、リハビリまで行うほか、6月1日からは循環器内科も併設し、内科医が常駐する。
「当院は脊椎脊髄疾患がメインですが、高齢で循環器系疾患を併発している患者も多い。利便性を追求し、より幅広く診察できる体制を整え、手術の安全性を高めていきます」と話す鐙理事長は、世界で初めて頸椎の「椎弓根スクリュー手術」を成功させた脊椎分野の外科医で知られる。頸椎は食道や頸動脈、椎骨動脈などの器官が複雑に絡み合うため難しいとされる。
 このほかにも難易度の高い手術に実績がある。変形した脊柱の矯正や頸椎の再建、他院で受けた手術のサルベージ(やり直し)も手掛けた。
 また20年から「頸椎人工椎間板手術」を開始している。損傷した頸椎を可動性がある人工椎間板に置換する手術法で、椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症、脊髄症の患者を対象とし、21年12月までに35例に実施した。
 同手術は、経験豊富な医師と整った医療設備がなければ施術できず、道内では同院など3つの医療機関に限定されている。
「患者への負担が少なく、早期の社会復帰が見込める。手術は1時間〜1時間半で終わり、翌日には歩行が可能です。入院も3〜5日程度で、体を動かす機会が多い若い世代にも向いています」と鐙理事長。
 また北大名誉教授やアジア太平洋脊椎外科学会日本代表理事なども兼務し、その手技を学ぶため世界中から数多くの見学者も訪れている。

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4月1日から診療を開始する新病院
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ネパールで手術中の鐙邦芳理事長(中央)
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頸椎人工椎間板手術。可動性があるため、後屈や前屈もできる
医療法人社団元氣会 札幌整形外科脊椎脊髄センター
札幌市西区発寒13条4丁目13‐56
TEL:011・662・1118
http://www.genkikai-gp.or.jp/seikei/

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