【冬を越せるのは半分以下】野良猫の凍死を防ぐために…

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雪の上で背中を丸める野良猫

 しんしんと降り積もる雪が暮らしを脅かすのは、人間だけではない。北国の野良猫にとって、冬は最も過酷な季節だ。
 各自治体で野良猫の統計を取っていないため、数の把握はできないが、迷子猫を捜索する「北海道アニマルサーチ絆」の探偵・大林和弘さんによると「肌感覚では、春を迎えられる野良猫は5割以下。特に子猫や老猫は厳しい」と話す。
 真冬を生き抜く猫の実態について、これまで3000匹以上を保護・譲渡したNPO法人「ニャン友ねっとわーく北海道」の代表・勝田珠美さんに話を聞いた。
 勝田さんによると、野良猫は寒さをしのぐため、繁華街では飲食店の換気扇下や駐車場を拠点にすることが多い。地域によって納屋などに棲みつく個体もいるが、大雪で入り口が埋もれて入れず、そばで凍死していた猫も発見されている。
 同団体では昨年「凍死する猫たちを救いたい シェルター設置の実現を」と題し、クラウドファンディングを実行。約1000万円が集まり、冬に行き場を失った猫や多頭飼育崩壊などのレスキューにも、より注力できるようになった。
 勝田さんは「もしも雪の中で猫が凍えていたら、手を差し伸べる勇気を持ってください。安易にエサをあげたり寝床を作るのではなく、保護することをオススメします。TNR(捕獲して不妊手術後、元の場所へ返還する取り組み)後、地域猫として生きていけるよう、働きかけることもできます」と話す。
 さらに「冬季間は運転前にボンネットを叩き(通称・猫バンバン)猫が隠れていないかを確認してください。暖をとるためにボンネットやエンジンルームに忍び込んだ猫が、気付かれずに巻き込まれ、命を落とすこともあります」と呼びかける。

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