埋まっても慌てるな JAF直伝スタック抜け出し術

©財界さっぽろ

スタックした車両(イメージ)

 ドカ雪が降り、除排雪がままならないまま狭い路地に侵入した結果、車が埋まってしまうことはよくあることだ。正しい脱出方法と車に積んでおくべきアイテム、そして冬道の運転初心者必見の交通マナーもJAFに聞いた。

大雪で救助要請増、2割がスタック

 2月5日から6日にかけて、札幌市内の24時間降雪量は60㌢と観測史上1位を記録した。今冬、札幌周辺は局地的大雪に見舞われることが多くなっている。こうなると生活道路の除排雪が追い付かず、車のタイヤが雪のくぼみにはまる〝スタック〟状態に陥った姿をよく見かける。
 レッカーサービスなど、さまざまなカートラブルに対応する日本自動車連盟(以下、JAF)札幌支部によると、2021年12月は出動依頼が7178件(札幌市内のみ)。最も多いのはバッテリー上がりだが、全体の2割にあたる1422件がスタックの脱出依頼。 JAFには22年に入っても例年より多くの救援要請が寄せられているという。
 そんなJAFの担当者にスタック抜け出し術と車載すべき〝三種の神器〟を教えてもらった。(以下、カッコ内はJAF担当者)
「スタック時の状況によって対処法が異なるのですが、まずは車両周辺の雪をしっかりと除雪することが大事です。このときにスコップがあると心強い。プラスチック製ではなく、アルミ製の方が軽くて丈夫でおすすめです」
 除雪がある程度完了したらは運転席に乗り込み、ギアをドライブとリバースに入れ替えながら、車両を前後に揺さぶる。
「この時に強くアクセルを踏みすぎないことがポイントです。慌ててアクセルを踏みすぎると、タイヤが空転して、さらに深くはまってしまう恐れがあります」
 車両を前後させ、勢いがついてきたら抜け出しのチャンス。くぼみからタイヤが出るタイミングを見計らって、アクセルを強めに踏み込む。
「スノーヘルパーやスノーラダーを使用すると抜け出しやすくなるので、冬期間は車内に常備しておくと安心。毛布が代用できるという情報もありますが、巻き込みの危険性があるため避けた方がよいでしょう」
 それでも抜け出せない場合はけん引ロープを使って他の車に引っ張り出してもらうことも一策。しかし、周囲に協力を求める場合は注意が必要になることもある。
「けん引ロープはかける場所を間違えるとボディが破損する恐れがあります。また、人力で押してもらうことも有効ですが、最近の車は軽量化のため鉄板が薄くなっています。力任せに押した結果、ボディがヘコみ、別なトラブルに発展することもあるのでお気をつけください。どうしても脱出できない場合はロードサービスの利用をおすすめします。JAF会員なら30分以内の作業であれば無料です(非会員は約1万3000円)」

先を見通して待避場所を確保

 これだけ雪が降り積もると車線が狭くなり、両側1車線を交互通行せざるを得ない道路も点在している。
「先を見通した運転が必要です。待避スペースが確保できそうな車両が道を譲るほうがスムーズに車列が流れるでしょう。前方の車が停車しているのであれば、後続車はむやみやたらに接近せず、待避場所を見当つけながら走るのが望ましい。交差点も雪山が高くなり、右左折するのにスペースが必要となるため、赤信号で止まる車両は、停止線より後ろで止まると対向車に親切でしょう」

スタックの抜け出し方法

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