コーサイ

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親松誠一社長

 長引くコロナ禍や激動の世界情勢など、未曾有の状況下で企業経営は大転換期を迎えている。新たな時代の潮流を見据えた事業戦略やビジネスモデルなど、成長を続ける企業の経営者が描くビジョンをあらゆる角度から紹介する。

新防水工法で特許。施工現場の迅速化、省人化に貢献する

 金属製の手すりやモニュメントなど建築に関わるさまざまな金属部品の企画製造から施工まで手掛ける「コーサイ」。
 業界屈指の高い金属加工技術を生かし、防水分野にも参入。昨年末に金属下地断熱防水工法「QR(クイックロック)システム」を開発して特許を取得した。
「工場や学校、音楽ホールの屋根など屋上の防水工事に推奨できる全く新しい工法です」と親松誠一社長。
 屋根に防水工事をおこなう場合、在来工法では通常、金属の下地や断熱材をビス(ネジ)で固定していた。しかし、この工法では現場作業が煩雑になるほか、施工後に屋内外との気圧差や風による振動などでビス部分から抜けや破断がおきるという課題があった。
 新工法では、工場で製造する独自規格の金属レールとクリップに超高速化スプレーウレタン防水を組み合わせることで迅速な施工を実現した。
「施工現場では敷き並べるだけで完了します。ビスを用いずとも固定が可能で、軽量で扱いやすく、特別な工具が不要です。工期も従来に比べ3分の1と圧倒的短さです」と親松社長。
 より暖かさを追求したい顧客のニーズに合わせ、従来不可能だった国内最大の330㍉の断熱材にも対応できるようになった。もちろん業界基準の屋根耐火30分をクリアするなど、耐火性能も高い。
「新工法ではさらに、作業中の雪の処理が楽で、積雪地での施工にも推奨されます。メンテナンスも容易です。この工法を導入すれば、建物そのものを軽量化できるため耐震性の向上や設計の自由度が高まる」と親松社長。
 また資源やエネルギーの削減、カーボンニュートラルなど脱炭素の観点から環境面でも注目されている。
 高い断熱性もあり、室内環境を維持したまま建物の省エネ性能を高めたZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の考え方とも合致する。
 すでに全国の防水工事会社など約20社で「QR工業会」も結成した。さらなる普及を図るとしている。
 親松社長は「省エネと省人化、軽量化に加えて最高レベルの断熱性能を提供できます。製造工程では機械化を進めており、工場では女性も採用している。今後は国外の建物防水にも展開していきたい」と意気込む。

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迅速な施工が可能なQRシステム
コーサイ
札幌市東区東雁来8条1丁目16番10号
TEL:011・791・3243
http://www.kk-kosai.co.jp/

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